AI | WHO’S LAB |大阪電気通信大学研究室紹介サイト /whoslab/research-keyword/ai/ WHO'S LABは、大阪電気通信大学の研究活動を発信する専用サイトです。 Fri, 05 Sep 2025 03:27:56 +0000 ja hourly 1 AIを活用して医療・福祉の現場を支援 /whoslab/research/mizuno/ Tue, 19 Mar 2024 03:00:00 +0000 /whoslab/?post_type=research&p=8658 いまあるものをどうしたらもっとよくできるか、もっと上手に使えるか。膨大なデータを学習し分析するAIの力で、様々な課題が見つかり解決が図られています。水野研究室では、医療・福祉分野にフォーカス。人の生体情報から医療施設の安 […]

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いまあるものをどうしたらもっとよくできるか、もっと上手に使えるか。膨大なデータを学習し分析するAIの力で、様々な課題が見つかり解決が図られています。
水野研究室では、医療・福祉分野にフォーカス。人の生体情報から医療施設の安全設計まで、AI技術を使って臨床の現場を支援しています。

脇にはさめない人に優しい
ニュータイプ体温計の開発

体温計は私たちにとって身近な医療機器の一つです。特に腋(わき)の下にはさむタイプの腋窩(えきか)型電子体温計は簡単に使え、短時間で実測値を正確に予測する使い勝手のよさが評価されています。

一方で、病院などの臨床現場では高齢者を中心に頻繁に計測エラーが発生することが問題になっています。脂肪や筋肉が減り痩せ過ぎると、測温部が肌に密着せず、ズレ落ちてしまうことが原因です。

水野研究室ではこうした問題を解決するため、測温部のまわりにスポンジ球を取り付けて腋にはさみやすくした電子体温計を提案しています。

電子体温計の仕組み
水銀体温計が計測に5分かかるのに比べ,電子体温計は「予測式」が採用されているため10秒・30秒といった短い時間で測定が可能.検温開始からの温度と湿度変化を分析し,上昇傾向を演算で導き出し,約10分後の体温を予測して表示する仕組み

試作品による実験では、予測精度の点では実用化が期待できる優れた結果が出ています。ただ、課題は予測時間の長さです。スポンジは熱が伝わりにくく、予測に時間がかかります。そのため、現在は実用化のネックとなっているスポンジの材質そのものを検討し、熱伝導性の高い物資を含ませるなど、素材の開発にも力を入れています。また、AI技術を導入することで、予測精度を高める研究も行っています。

軟質ボールを測温部に持つ電子体温計

エネルギーマネジメントで
災害時の地域医療を守る

また水野研究室では、医療施設のエネルギー・マネジメント・システムについての研究も行っています。

全国には、災害が起こった時に地域の災害医療を支援する770の災害拠点病院が指定されています。これらの病院は国によって、通常の6割程度の自家発電機が3日動く程度の燃料を保有しておくことが定められています。一方で、ここ最近の災害時の実状を見てみると、ライフラインの復旧には1週間程度停電が続いたケースも数多くあります。

そこで水野教授は、災害拠点病院向けに、安定した電力を1週間程度キープできる効率のよいエネルギー・マネジメント・システムの構築をテーマに研究を続けています。

たとえば、気象データに基づいた電力需要予測モデルを使って、効率の良いエネルギー制御を提案。また、非常用発電機として燃費のよい小型発電機を複数台用いる方法や、太陽光発電や小容量バッテリーを併用する形で、緊急時に必要な電気量を確保するといった方法。さらに、AIを活用して必要な電気量と各機器に必要な消費電力の最適化を図るなど、現実的な条件をベースに供給方法を検討。そのほか、電気自動車を使って患者さんを移動・避難させる場合の最適な経路を分析するなど、実際の災害事例をふまえた提案を行っています。

病院のエネルギーマネジメントシステム
災害が起こると,非常用発電機,太陽光発電と小容量バッテリがはたらき, 1週間程度安定した電力を供給して医療サービスを提供.また,高齢者や負傷した患者さんの搬送手段に電気自動車を活用することで病院と自動車の蓄電システムが融合でき,地域全域に対応した災害医療システムが実現できる.

健康と環境をコントロール
最適化された家に災害に強い町づくり

人がいるかいないかを検知して室温を調節する賢いエアコンがありますが、もっと賢くなると、どんなことが可能になるのでしょうか。
人の体温や脈拍といった生体情報を測定し、それに応じた環境をキープする「健康住宅」の登場。また、家単位、エリア単位でエネルギーマネジメント機能を組み込み、ムダなく効率のよいエネルギー消費や災害対応を実現する町づくり。そう遠い未来の話ではなく、人の命を守る技術の進歩に大きな期待がかかります。

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視覚障がいのあるなしに関係なく同じ土俵で遊べるゲームを開発 /whoslab/research/niikawa/ Wed, 14 Feb 2024 02:56:28 +0000 /whoslab/?post_type=research&p=8347 障がいのあるなし、年齢や言語の違いに関係なくともに使える製品を共用品、サービスを共用サービスと言います。新川教授の共用エンタテインメント研究は、音の出るトランプから始まり、今も進化を続けています。めざすのは、人々を勇気づ […]

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障がいのあるなし、年齢や言語の違いに関係なくともに使える製品を共用品、サービスを共用サービスと言います。
新川教授の共用エンタテインメント研究は、音の出るトランプから始まり、今も進化を続けています。めざすのは、人々を勇気づけ、人間が本来持っている生きる力を湧き立たせるゲームの開発です。

音の出るトランプからさらに進化 
新しいゲームを次々に提案

新川教授の共用エンタテインメント研究は、音の出るトランプから始まりました。これはトランプの中にICタグが埋め込まれており、リーダーにかざすと「ハートの3」というふうに、カードの情報が読み上げられる仕組みです。トランプの情報が音として届くため、視覚障がいのある人も晴眼者も同じ条件で対戦することができます。

これを機に、新川教授のゲーム開発は次々と進化。ゲーム「kikimimi」の開発では、プログラム(音声)を入れ替えることで、トランプだけでなく、非言語である動物の鳴き声や音楽のフレーズを用いて遊ぶことができるよう改良を加えています。これによってトランプのババ抜きからUNO、大富豪のようなカードゲーム、音のしりとりなど多彩な遊びができます。

また、「touch the sky」という形の違うコマを使うゲームも開発。音声だけでなくコマの触感も情報として活用する新しい遊びの提案をしています。

「touch the sky」は触るだけでコマの種類がわかり,RFIDタグによる音声出力もできる.自分のコマが何かは自分だけにわかり,プレーヤ全員に知らせる情報は音声で伝えられるのがポイント.

実力があるから勝てるゲームで
エンパワメントをめざす

新川教授は、開発したゲームが視覚障がい者のエンパワメントにつながるのではないかと考えています。エンパワメントとは、個人が持っている本来の能力を発揮できる環境や仕組みづくりのことです。

「kikimimi」や「touch the sky」は情報が音声出力されるため暗闇の中でも遊べるので、視覚障がいが遊戯の妨げとなりません。晴眼者と同じ条件で戦って勝てるゲームは、視覚障がいのある人も楽しみながら自信を育むことができる場ともなるでしょう。

ただし、そのためにはゲーム開始時に配られるコマの内容といった偶然によって勝敗が決まるゲームではなく、記憶力や戦略を立てる能力の高さなど戦略性がより高いゲームであることが重要です。

そこで、新川研究室では「touch the sky」について初心者や熟練者などレベルの違うプレイヤーモデルを構築し、ゲームAIによる対戦シミュレーションを行ってゲームの戦略性を分析。この分析結果に基づいてルールを変更するなど、調整を重ねて、エンパワメントに最適な戦略性を持ったゲームの開発をめざしています。

戦略を立てることができる熟練者のプレイヤーモデルは,ヒトの記憶システムをモデル化して構築.ゲーム中に得られた情報をもとに,過去にゲームをした経験から得た情報から検索し,次にどれを出すと勝利できるのかを判断する.
基本ルールだけを守るモデルを使ってシミュレーションすると,勝率を上げる2種類の簡単な手があることがわかった.これを常套手段と名付け,常套手段を使うモデルと熟練者モデルを使うモデルを比較.勝率が変わらなければ,戦略を立てなくても勝てるゲームということになる.しかし結果は,常套手段だけでは熟練者にかなわないことがわかった.

もっとわくわく、楽しい
共用エンタテインメントの世界とは!?

新川研究室がめざすのは共用エンタテインメント。楽しむためのものだけに、一緒に時間を過ごすことで心のバリアも解けていきそうです。
現在、開発しているのはコマの形を変えられるゲーム。触って情報を伝え合い、チームで勝利をめざすそうです。ダイバーシティの時代、ゲームの役割は想像以上に大きく、私たちをさらにわくわくさせてくれそうです。

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AI技術を駆使した医用画像処理研究で小児水頭症の脳室領域抽出をより高精度に /whoslab/research/iwamoto/ Thu, 21 Sep 2023 01:13:00 +0000 /whoslab/?post_type=research&p=4270 脳脊髄液の循環障害によって、脳の内部にある空間、脳室に過剰に溜まった髄液が、脳を圧迫しさまざまな障害を引き起こす水頭症。頭部CTスキャンやMRIでその領域を特定し診断します。岩本准教授が医療機関と共同で研究しているのは、 […]

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脳脊髄液の循環障害によって、脳の内部にある空間、脳室に過剰に溜まった髄液が、脳を圧迫しさまざまな障害を引き起こす水頭症。頭部CTスキャンやMRIでその領域を特定し診断します。
岩本准教授が医療機関と共同で研究しているのは、AIのディープラーニングを活用した、さらに精度の高い医用画像処理技術です。

ディープラーニングによる画像セグメンテーションにより、
小児水頭症の脳室の体積を正確に測定 
疾患の定量化や患者に分かりやすく伝えることができるゴールを目指す
 

医療機関との共同研究のテーマは、医用画像から小児水頭症の脳室をセグメンテーションし、より高精度な解析と的確な診断へ導くソフトウェアの開発。特に小児は脳形状が多様であることから難易度の高さも課題となります。

現在、ディープラーニングを活用しながら高い精度で領域をセグメンテーションすることで、対象となる脳室の体積を測り、定量化する技術を開発しています。この技術が確立できれば、 正確に測定された体積から、疾患の定量化や、患者に術前・術後の変化を分かりやすく伝えたりすることが可能になります。

左)正常な脳室と, 右)水頭症の脳室のイラスト.

今後ますますニーズが高まる、医用画像の自動セグメンテーションと
画像処理技術に着目! 
既存の技術もブラッシュアップすることで医療分野にAIの技術で貢献

医用画像の対象となる領域を自動でセグメーテーションし、現場の医師が直感的に利用できるシステムの開発は、今後ますます医療分野で必要とされる技術の一つです。

MRIやCTの画像から特定の臓器に色をつけて抽出する技術の一例
(Medical Image Decathlonデータセット画像 (spleen)(Licensed under CC-BY-SA 4.0)[1,2]をITK-SNAP[3]ソフトウェアで表示).

上の画像のように脾臓や肝臓を抽出する技術はすでに広く活用されていますが、その精度をできるだけ上げるために最新のアルゴリズムを使ってその開発に取り組んだり、小児水頭症のように、これまでセグメンテーションの研究例が少ない領域に着目し、ソフトウェアの開発を目指したりしています。

このほか、CTスキャンやMRI画像のノイズ除去や、解像度を上げるなどの医用画像処理に関する研究にも取り組み、医療分野で広く活用されるAI技術の発展に力を注いでいます。

医療分野で医師と患者をサポートする
システム開発のAI技術

開発中の技術が確立すれば、現在共同研究中の医療機関で実際に医学的な解析に活用いただく予定です。 研究テーマでもある医用画像処理の分野でAIを駆使して医療現場に少しでも力添えができれば、と考えています。たとえば、随分先の未来になりますが、医師の診断をサポートするような技術や、 身体に気になる症状があった場合、患者自身が写真を撮って、まず画像である程度診断し、後に医師が適切な診断ができるようなシステムを開発できればと考えています。

参考文献

  1. Medical Segmentation Decathlon, [Online]. Available: http://medicaldecathlon.com/
  2. Amber L. Simpson et al. “A large annotated medical image dataset for the development and evaluation of segmentation algorithms”,
    arXiv:1902.09063
  3. Paul A. Yushkevich, Joseph Piven, Heather Cody Hazlett, Rachel Gimpel Smith, Sean Ho, James C. Gee, and Guido Gerig. User-guided 3D active contour segmentation of anatomical structures: Significantly improved efficiency and reliability. Neuroimage 2006 Jul 1;31(3):1116-28. [Online]. Available: www.itksnap.org

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どんな単語がどのくらい出てくるかで会話の中に込められた感情が読み取れる!? /whoslab/research/ebara/ Thu, 21 Sep 2023 01:10:00 +0000 /whoslab/?post_type=research&p=2389 江原研究室が取り組んでいるのは、情報技術を活用したコミュニケーションや感情の動きの分析です。テキスト(文章)中の単語や単語同士の関係から内容を判断し、特徴を抽出するテキストマイニングの手法を駆使。分析結果のビジュアル化で […]

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江原研究室が取り組んでいるのは、情報技術を活用したコミュニケーションや感情の動きの分析です。
テキスト(文章)中の単語や単語同士の関係から内容を判断し、特徴を抽出するテキストマイニングの手法を駆使。分析結果のビジュアル化で、効率化や新たな傾向の発見につなげています。

一目でわかる心理カウンセリングの流れ 
多様なアプローチによるデータの可視化

テーマの一つは、心理カウンセリングの会話を記録したテキストデータを使った視覚的分析です。心理カウンセラーの世界では、スキルアップのためベテランがカウンセリング記録を基に分析や、経験の浅いカウンセラーの指導をするのが一般的。しかし膨大なテキストデータの内容をチェックするのは手間がかかります。

そこで、テキストマイニングを使ったデータ分析と可視化の方法を探っています。カウンセラーとクライエントの発話内容を、設定したキーワードの出現頻度などによってカテゴリーに分類し、それぞれが出現するタイミングや発話量をグラフで可視化。さらに、カウンセリングを通してクライエントの認知の修正の進行などを可視化する試みも進めています。

カウンセリングの内容を録音して書き起こしたテキストデータを帯グラフで可視化.色分けされた内容が時系列で配置され,一目で内容が把握できる.

SNSを視覚的に分析して感情の動きや揺らぎを把握 
ピアサポートの充実に役立つ基礎研究

また、SNSのデータを使った感情分析についても研究しています。女性特有のがんを抱える人たちのSNSに投稿されたテキストデータを分析。記事ごとに内容がポジティブかネガティブか、投稿者の感情がプラス傾向かマイナス傾向かなどを判定し、時系列によるグラフ化を行っています。

手術や診断結果の告知など治療上のイベントとリンクさせるなど、さまざまな観点から感情の動きや揺らぎの傾向を把握するアプローチを模索しています。多くのデータを分析することで、今まで知られていなかった共通の傾向が浮かび上がる可能性も。医療・教育分野などで注目されているピアサポートの仕組みづくりや充実につながる基礎研究としても期待されています。

SNSの投稿記事から内容を感情分析.ネガティブ・ポジティブの傾向(青線), 感情の傾向(赤色の線)が時間の経過によってどのように変化するかをグラフ化.

文字のコミュニケーションに感情をプラス
手軽で使いやすい最強のツールになる!?

テキストによる感情分析は、映像や音声による分析に比べてまだこれからの分野です。表情、抑揚といった要素がなく、会話やSNSなど口語表現になるほど言葉が省略され単語同士の関係があいまいになるなど解析が難しいからです。
しかし、メール、SNS、チャットなどテキストによる顔の見えないコミュニケーションは今後も拡大する傾向。会話文から感情が簡単に読み取れるようになれば、感情の行き違いが減ってますます活用されそうです。

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世界中の誰もがデータと知識を共有し人間の知見を超えて新たな発見へと導く /whoslab/research/kozaki/ Thu, 21 Sep 2023 01:06:00 +0000 /whoslab/?post_type=research&p=2421 人間は目的に向かって最短ルートを意識し動いていますが、「繋がりがない」と目を向けていなかったところに新たな発見があるかも知れません。古崎教授は、そんな発想で、オントロジー工学を用いた知識の体系化や、人間では得られない網羅 […]

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人間は目的に向かって最短ルートを意識し動いていますが、「繋がりがない」と目を向けていなかったところに新たな発見があるかも知れません。
古崎教授は、そんな発想で、オントロジー工学を用いた知識の体系化や、人間では得られない網羅的な知識の組み合わせを導き出す「知識グラフ」を研究しています。

開発を目指す製品の機能を始点に、
工学者が生物学の知識へとたどりつくことが可能に 
バイオミメティクスのデータベースとなる知識グラフで、企業の製品開発に貢献

元々「存在論」という哲学用語であるオントロジー。AI分野では、人間とAIが対象世界を共有できる形で明確化・体系化し、共通認識とするために整理する手法を研究する分野を指します。その基礎理論に基づいて古崎教授が1996年に開発したフリーソフトウェアが「法造」です。

また現在研究を進めているのが、知識の構造を繋いだ知識グラフ(ナレッジグラフ)。知識グラフは世界中で作成され、さまざまな分野に応用できますが、古崎研究室で開発した知識グラフの1つが、生物の知識のない工学者が、新製品開発の際に「模倣できそうな生物をみつけたい」というニーズに応えるバイオミメティクス・データベースです。

たとえば作りたいものが「防汚・抗菌塗料」であれば、そのゴールを始点にさまざまな知識が提示され、カタツムリの粘液にそうした効果がある、というところへたどり着くことができる仕組みです。

知識ナレッジのイメージ

LODで誰もが自由に利用できるデータを用いて
ナレッジグラフ推論チャレンジなどのイベントを開催 
推論できるAIシステムの開発を目指します

2007年頃から世界中で広まっているのが、情報をオープンな知識グラフであるLOD(Linked Open Data)として公開しようという動き。プログラムからアクセスでき、Webで公開されかつ自由に利用できるというもので、1つの情報をたどるとあらゆる知識にたどり着けるというのが究極的に目指されているところです。

それがどのくらい活用できるかを示すために古崎教授たちが2018年から毎年開催しているのがナレッジグラフ推論チャレンジというコンテストです。挑戦者はシャーロック・ホームズの小説を知識グラフ化したものを使って推理を進めます。

また2022年からは日常生活が対象の推論チャレンジも開始。日常生活の中での危険なポイントを知識グラフから探る試みで、知識を駆使して的確に考え答えを出すという人間の知的活動の最たるものを、AIで可能にする。その実現を目指して研究しています。

知識グラフでデータと知識のバランスを取り
ベストなソリューションを提供できる近未来へ

たとえば自動運転はAIのかたまりですが、「今道路のどのあたりを走っているか」や速度はデータの部分。信号を認識して「赤で停止するべきかどうか」は知識の部分。その境界線は難しいですが、データと知識を織り混ぜて、ベストなソリューションを目指していきたいと思っています。
これにより、前任者がいなくてもAIがノウハウを探し出したり、論文のタイトルや著者名といった限定ワードを知らなくても知識グラフから見つけ出したりすることが可能となり、さまざまな分野の研究者の助けになると考えています。

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人間が自ら解決策を導き出すための良き相談相手になれるAIを研究 /whoslab/research/takeuchi/ Thu, 21 Sep 2023 01:03:00 +0000 /whoslab/?post_type=research&p=1727 私たちの質問に答えてくれる対話型のAIやチャット等が増えていますが、コンピュータは本当に私たちの質問を「理解」しているのでしょうか。自然言語処理を扱う竹内研究室では、「“わかる”とは何か」に注目しながら、人の相談者になれ […]

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私たちの質問に答えてくれる対話型のAIやチャット等が増えていますが、コンピュータは本当に私たちの質問を「理解」しているのでしょうか。
自然言語処理を扱う竹内研究室では、「“わかる”とは何か」に注目しながら、人の相談者になれるAIを研究しています。

世間で活躍するAIの作業の多くは
「思考」や「理解」というより「翻訳」

「リンゴとは何か説明してください」と質問されたら、多くの人は「木になる赤い果物」と答えるでしょう。けれども、答えの続きは、たとえばリンゴ農家と画家ではかなり異なるはずです。両者が対話すればリンゴの知識が増え、お互いに対する理解も深まります。その後リンゴを育てる時、あるいはリンゴを描く時のヒントを得るかもしれません。

一方、最近のAIに同じ質問をしても、ある程度詳しく答えてくれますし、私たちが日常話す言語である自然言語を使ってやりとりするので、AIが考えているように感じます。しかしそれは「リンゴ」という単語に紐付いた文言を取り出しているだけであってコンピュータがリンゴについて理解して答えているわけではありません。

自動翻訳・自動チャット・要約・絵を書くツール等もコンピュータが考えているのではなくプログラムに沿って該当する文言や絵を提示している「翻訳技術」なのです。

プログラムの構造分析
色で囲んでいるところは「変数に値を代入」といったプログラムでよく使う言葉で表現できる部分を示している.つまり人間の言葉からプログラムを生成する基礎となる.

汎用型「翻訳」からオーダーメイド「通訳」へ 
対話の実現に必要な「意図の推論」をめざす

英語から日本語への自動翻訳など、翻訳技術の精度は高くなっていますが、AIと話が噛み合わない経験をした人も多いと思います。これは、「リンゴは赤い」とだけ定義すると青リンゴはリンゴでなくなってしまうように「Aを語るとA以外を捨てる」という言葉の持つ特性と関わっています。

こうした誤りを防ぐにはコンピュータと「対話」を重ねてリンゴの意味をより豊かにすることが不可欠です。対話を増やすことで、AIは前後の文脈や問題の個別性をふまえた内容を返すことができます。つまり翻訳から通訳へのバージョンアップです。AIが対話を実現するには人間の意図を推論する必要があります。

竹内研究室ではネット上にあるさまざまなテキストを機械学習で解析し、さまざまな意図パターンを整理しています。「わかるとは何か」というAIの根源を見つめ直す研究でもあるのです。

議論分析の結果
横軸・縦軸で作られた平面上の点は特定の話題を示す.それぞれの点はそれぞれの話者が言及している話題. 話者は色分けされているため,どの話題に対して複数の話者が密接に議論をしているかが分かる.
ニューラルモデル
近年発展の著しい深層学習は言葉の意味をベクトルで表現することができる.開発した手法では, 言葉の意味を一方向だけではなく縦方向と横方向の二方向から分析することができる.

難しい問題をあなたと一緒に考える専門分野ボット
人間の判断を支援する!

専門知識を持ち、人間の意図を理解するAIが実現すれば、質問者と対話を重ねて個別の状況に応じたアドバイスをする法律ボットや医療ボットとして、弁護士や医師の代わりに気軽に相談できます。
また、行政の議事録や裁判記録を読み込むことで、結果だけでなくプロセスをふまえた行政や司法のチェックが可能になります。ここで大切なのは、AIは選択肢を提示する援助的存在であり、最終判断をするのはユーザである人間だということです。

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進化する情報技術を活用して何ができるか多様な社会ニーズに応えるソリューション開発 /whoslab/research/nakahara/ Mon, 24 Jul 2023 02:03:00 +0000 /whoslab/?post_type=research&p=3351 社会のさまざまな分野の課題を解決することが期待されている情報技術。中原研究室ではAR、AI、画像処理などの技術を活用して、交通や物流、防災・減災など社会インフラ整備に役立つソリューション開発を行っています。実社会への導入 […]

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社会のさまざまな分野の課題を解決することが期待されている情報技術。
中原研究室ではAR、AI、画像処理などの技術を活用して、交通や物流、防災・減災など社会インフラ整備に役立つソリューション開発を行っています。実社会への導入を意識した、これからの社会を変えていく技術です。

社会インフラをよりよいものにする
AIやデータサイエンスを活用した技術開発

テーマの一つは、AIを活用した交通量調査の自動化です。交通量は道路の劣化予測や交通計画立案の基礎データとして重要ですが、従来の人手による調査では人件費や調査員の熱中症リスクなどの課題がありました。そこで、街頭の監視カメラを使いAIで人を認識させる自動化技術の開発を企業と共同で進め、すでにサービスの運用が開始されています。

また、データサイエンスを使った防災技術の開発も進めています。道路の造成で人工的に造った地形の周辺は、豪雨などによる災害が起こりやすくなります。そこで、航空レーザー測量などで取得した3次元データで、切土・盛土・擁壁などの構造物を自動的に抽出。年度のデータとの比較によって損壊・劣化状況などを把握し、崩壊などの危険性を自動的に判別する技術です。そのための計測技術も開発しています。

個人情報保護のための手続きを経て,街頭カメラで通行する人を自動的に認識
左) 防災対策には,どこにどれだけ危険な構造物があるかを把握する必要がある.
右) 道路周りの構造物を自動で検出(図中の赤部)し,その危険性を自動で判定する技術を開発.
手のひらサイズの3Dスキャナ(左)
計測した3次元の座標点の集合でできた地図(図中右:点群データ)

スポーツ根性論を不要にする解析アプリなど
簡単に使えてかゆいところに手が届く技術

一方で、AIをスポーツ解析や指導支援に役立てようという研究も行っています。バレーボールの試合中に選手やボールの動きをAIや画像処理技術を使って自動でリアルタイムに分析する技術の開発もその一つです。選手交代や相手の動き応じた戦術分析などに役立つ技術です。

また、スマホのカメラで3次元の骨格の動きをリアルタイムにキャプチャーできる技術を活用した、スポーツ指導支援の研究も実施中。競技に必要な動きを可視化して自動的に分析し、その結果から導き出したアドバイスを自動で表示することを目指しています。

このほか、AIによる動作解析を手話自動翻訳に活用する例も。中原研究室では、自由な発想で幅広いニーズに応える研究が進んでいます。

実際に使われているバレーボールの戦術分析ソフトの機能を自動化し,より使い勝手のよいものに.
Googleが開発したカメラ映像からリアルタイムに人の姿勢の3次元情報をキャプチャーする技術を使い,ボールを蹴る瞬間にアドバイスを自動で表示.

アーティスト目線でライブが観られる!?
日常・非日常のすべてがバーチャルになる

日本全体を3次元データ化してバーチャル日本をつくろうというプロジェクトがすでに進んでいます。どの道路に車が何台走っていて、駅前に人がどのくらいいてショッピングモールの店で何が売れたか、リアルタイムにわかったり、実際の人と遜色ないAIと会話できたりする時代がもうすぐ到来します。
ライブはアーティスト目線や最前列、舞台上で楽しむことも可能になるかも。日常から非日常まですべてがバーチャルになる未来は、今までとは大きく違う世界になりそうです。

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電気を運び、見えないものを見る 電波を応用した技術の可能性を広げる /whoslab/research/he/ Thu, 06 Jul 2023 10:05:00 +0000 /whoslab/?post_type=research&p=326 電波は電磁波の一種で、3テラヘルツ以下のものが電波と呼ばれています。 何研究室では、放射、伝搬、散乱など電磁波のさまざまな現象がどのように起こるのか、そのメカニズムをコンピュータシミュレーションで解明。幅広いテーマの解析 […]

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電波は電磁波の一種で、3テラヘルツ以下のものが電波と呼ばれています。
何研究室では、放射、伝搬散乱など電磁波のさまざまな現象がどのように起こるのか、そのメカニズムをコンピュータシミュレーションで解明。幅広いテーマの解析によって、電磁波活用の可能性を広げています。

動くドローンをどこまでも追尾して給電し続ける
アンテナシステムをシミュレーション

スマートフォンを置くだけで充電できるのは、電波で電力を送る無線電力伝送技術のおかげ。もっと遠くに大きな電力を届ける技術が開発され、IoTを支える各種センサーへの給電などの実用化が進行中です。

何研究室では、ドローンが長時間滞空できるよう、動くドローンを追尾して電波で電力を送るアンテナのシミュレーションを行っています。シミュレーションではアレーアンテナと呼ばれる複数のアンテナを並べた機構を活用。アンテナにかける電圧を変えることで、電波を特定方向へ送り、通信の安定性を確保するビームフォーミング技術を実現し、ドローンを追いかける仕組みの確立が目標です。現在、最も効率的に電波を受信できるアンテナの形状、配列を、数値解析によって探っています。

アレーアンテナを使ったドローン用無線電力伝送のシステム(イメージ)
地上のアレーアンテナ素子の給電位相を調節してドローンに向かって電波で送電する

地下に埋められた水道管のサイズや深さをAI判定 
機械学習に必要な大量データを作成する技術

何研究室では、電磁波の数値解析によるシミュレーションを、多様な分野に活用しています。

地下探査レーダもそのひとつ。老朽化した水道管やガス管の取り換えの際に、どんな深さにどんな口径・長さの管が埋まっているか、電波を対象物に反射させ埋設物を判断するなどの用途で使われています。また近年、期待されているのが、埋設物のサイズや埋設深度ごとに違う電波の反射波形をAIを使って判定する技術の開発です。

何研究室では、AIに埋設物を特定させるための機械学習に必要な、大量の反射波形データをつくる方法を、数値解析を駆使して研究しています。今後、遺跡の発掘など利用領域の拡大が予想される地下探査レーダの基礎技術としても期待されます。

地下に埋められたものを地下探査レーダで探査する.受信反射波を使って,深さやサイズを判定するにはAIの技術開発が不可欠.

数値解析より得られたアンテナの特性と埋設管の反射特性から高速に生成した埋設管の反射エコー

ワイヤレスで電気を送る技術の可能性は無限
暮らしを変えるだけでなくエネルギー問題も解決!?

無線で電力を送る技術は、今後、いろんな展開が期待できます。
たとえば、電気バスが走るようになれば、わざわざ車庫に帰らなくても、バス停に送電して停留中に充電できれば効率的。また、衛星を打ち上げて宇宙空間で太陽光発電を行いその電力を地球に送る「宇宙太陽光発電」、電気を送らなくても空間に飛んでいる電波を吸収して発電させようという「環境発電」と呼ばれる技術も、すでに研究が始まっています。

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なぜ人は通訳・翻訳ができるのか!?  意図を読み取り変換するメカニズムを研究 /whoslab/research/minamitsu/ Wed, 10 May 2023 02:00:00 +0000 /whoslab/?post_type=research&p=11973 通訳・翻訳は、伝える側のメッセージを理解し受け取る側が正しく理解できるように変換することです。南津准教授は、人が通訳・翻訳時に行う処理のプロセスを言語学、言語心理学などの理論を使って分析。また、その成果を大学の授業に取り […]

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通訳・翻訳は、伝える側のメッセージを理解し受け取る側が正しく理解できるように変換することです。
南津准教授は、人が通訳・翻訳時に行う処理のプロセスを言語学、言語心理学などの理論を使って分析。また、その成果を大学の授業に取り入れて教育効果を探る実証的な研究も行っています。

言葉を理解し発信できる能力
「メタ表示」能力に着目

通訳がいかに難しいかを示す伝説的なエピソードがあります。日米首脳会談で、日本の首相が言った「善処します」という発言が、通訳によってアメリカ側に「実現するよう検討する」という意味に伝わりました。当時の日本の政治用語では「善処する」は何もしないという意味で、約束を守らない日本にアメリカが激怒したというエピソード。

通訳・翻訳では、単語の意味や文法の正しい理解だけでなく、言葉の背後にある経緯、状況、社会的・文化的背景などの理解が重要です。これらは文脈という言い方でまとめることができますが、通訳・翻訳者は言葉が発せられた文脈に沿って話し手・書き手が伝えたいメッセージを推測し、聞き手・読み手に意図が伝わるよう変換して伝えます。

南津准教授は、この通訳・翻訳のプロセスを、ヒトが言葉を理解し発信するときに使うとされる、ヒト固有の「メタ言語能力」に着目して解明しようとしています。メタ言語能力とは、人が話したことからその意図を理解したり、自分の言葉の使い方を客観的に分析でき、駆使できる能力のこと。まさに通訳・翻訳者が駆使している能力そのものと言えます。通訳者としての経験を持つ南津准教授は、言語学や英語教育の研究者や文章表現のプロである記者など多彩なメンバーと共に共同研究も行っており、その成果が期待されます。

通訳ではどうしても言語の能力が注目されがち.ただ実のところ,文脈や知識,対人-調整力の方も同じように重要になる.

映画「タイタニック」は
文脈を読み取る格好の教材

また、メタ言語能力を伸ばすための教育にも取り組んでいます。

たとえば、授業の中で映画など映像素材に字幕をつけるという演習。会話している人物の表情はもちろん、会話の間や映像など言葉以外の情報も、翻訳の重要なヒントになります。映画「タイタニック」の氷の海に投げ出され死を予感しながら恋人に愛を伝えるシーンを教材に、登場人物の気持ちを的確に伝えられる訳語について議論。

ほかにも、海外のトーク番組などを教材に、相手に会わせて言葉遣いを変えているシーンの翻訳を通じ、ニュアンスの違いが伝わる単語の選び方について学ぶこともあります。

映像を通じて豊富な用例に触れながら、文脈を理解した上でそれに合った訳語に落とし込む能力をトレーニングしてゆく。こうした教育の実践によって学生の翻訳能力にどのような変化があるのかを分析し、メタ言語能力の実証研究にもつなげています。

講義では映画の登場人物の訳語を発表
登場人物の気持ちをどのように言葉で表現するかが問われる.

通訳・翻訳教育で
コミュニケーション力を育てる

メタ言語能力は、コミュニケーションのカギを握る能力です。言葉そのものを理解しても、相手の意図を推測できなければコミュニケーションは成り立ちません。
こうした考え方から、近年、専門職の養成のためではなく、語学教育としての通訳・翻訳教育が注目されています。意図や思いを伝え、理解することに重点を置いた語学教育によって、対話やコミュニケーションに長けた人が育てば、地球レベルの課題解決にも発展が望めそうです。

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