教育工学 | WHO’S LAB |大阪電気通信大学研究室紹介サイト /whoslab/research-keyword/educational-engineering/ WHO'S LABは、大阪電気通信大学の研究活動を発信する専用サイトです。 Fri, 22 Nov 2024 04:09:55 +0000 ja hourly 1 言葉の使い方に隠された 裏の意味を探る /whoslab/research/saito-k/ Mon, 08 Jul 2024 02:00:00 +0000 /whoslab/?post_type=research&p=12188 「全然大丈夫!」と聞いて、この言い方に違和感を感じるか、否か。斉藤特任講師は、若い世代にとっては自然な言い回しとなった「全然+肯定形」について研究しています。言葉の意味や文法だけでなく、どんな場面で使われ、どんな機能を持 […]

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「全然大丈夫!」と聞いて、この言い方に違和感を感じるか、否か。
斉藤特任講師は、若い世代にとっては自然な言い回しとなった「全然+肯定形」について研究しています。言葉の意味や文法だけでなく、どんな場面で使われ、どんな機能を持っているのかなど裏側まで探ってみると、人や社会のあり方が見えてきます。

「全然大丈夫」は
どんな気持ちで使われ、なぜ浸透したのか

斉藤特任講師は日本語の語用論を専門に研究しています。「ペン、ありますか?」と尋ねられたら、「はい」と返事をするだけでなく、ペンを貸してほしいという相手の意図を汲み、実際にペンを渡そうと動きます。語用論とは、こうした言葉の使われ方や言葉のもつ機能を明らかにする研究分野です。

この語用論の中でも、特に現代日本語における配慮表現がそのメインテーマ。配慮表現とは、相手との関係を良好に保とうとする気持ちから使われる言い回しで、この使われ方が社会に定着している言語表現をいいます。

たとえば、頼まれごとを断るときに「無理です」というのではなく、「来週であれば」とか「今ちょっと無理なんです」といった言い回しをします。この「ちょっと」という言葉は、「少ない」という意味でなく、語気を和らげるために使われています。

斉藤特任講師は、若者がよく使う「全然大丈夫」など「全然+肯定形」も配慮表現の一種ではないかと考えています。他にも「全然おいしい」など、副詞「全然」が否定表現だけでなく、肯定形と使用されることがあります。こうした表現に違和感を感じ、文法上正しくないと否定する人もいます。

斉藤特任講師は文法の正誤ではなく、「全然」が何を否定しているのかに着目。相手の心配や不安を打ち消す「全然(そんなことはないから)大丈夫」といった、相手に配慮する気持ちが裏にあるのでは?と指摘しています。このような配慮の気持ちを言い表そうとしたとき、否定表現を伴うという副詞「全然」の文法上のルールを破るものの、自分の気持ちを言い得て妙な表現として、現代日本語として定着しつつあると説明できます。使う人の人柄を表し、使われている社会の一面を映し出す鏡としての言葉。その面白さは尽きません。

学びの質が高まる協同学習の実践

また、斉藤特任講師は大学における教育プログラムのあり方についても研究を行い、協同学習の実践に取り組んでいます。

協同学習とは、少人数のグループで一人ひとりが責任を果たし協力し合いながら課題や目標に取り組む学習のやり方。議論などのやり取りをしながら意見が対立した時にどのように調整していくか、といった社会的なスキルも身につけられることがポイントです。協同学習は、人種、言語、文化、経済的地位など、さまざまな差異があるアメリカで発展し、日本の協同学習はその流れを汲んでいます。この協同学習の研究において、クラスの中で競争させるよりも、協同させた方が学びの質が高まるという研究結果も出ています。

斉藤特任講師は、キャリア教育の授業などに協同学習を取り入れ、効果を検証しています。自分で考え学ぶ姿勢が身につくこと、いろんな人と話し合いをしながら知識を深め合うことでパフォーマンスが高まることを、学生自身に実感してもらうのが狙いです。実際、話すのが苦手だった人が、回を重ねるごとに自分の意見を語りはじめたり、そうした仲間の変化を喜ぶ姿が見られるなど、クラスの雰囲気やお互いに対する関心度に変化(成果)が表れ始めています。

協同学習のイメージ図
協同学習ではグループを用いた学習活動が多用されるが,グループ学習がそのまま協同学習になるわけではない.グループ学習の中でも,一定の条件を満たすものを協同学習という.研究者によってその条件は異なるが,ここでは「協同の精神」と紹介しておきたい.

人と人との関係を紡ぐ
言葉の力が見えてくる

斉藤特任講師が研究する「全然+肯定形」は、実は戦前の小説などには使われている表現なのだとか。それが、いつのまにか「全然は否定形と使う」という意識が広がり、今またそれが元の用法に戻ろうとしているのかもしれません。
言葉は時代とともに変化します。配慮表現には人と人との関係を紡ぐ言葉の力がよく表れています。今後私たちが何に配慮し、どんなコミュニケーションを最良と考えるのかは、言葉が教えてくれるのかもしれません。

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IoT、ロボット技術で社会問題を解決するものづくり /whoslab/research/ogawa/ Mon, 15 Jan 2024 00:59:04 +0000 /whoslab/?post_type=research&p=7778 小川准教授の研究テーマは、センサ計測により収集したデータをIoTで効率的に活用する――そんなスマート社会の構築に役立つ技術です。福祉、教育、農業など私たちの暮らしに近い幅広い領域を守備範囲に、社会問題を解決するものづくり […]

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小川准教授の研究テーマは、センサ計測により収集したデータをIoTで効率的に活用する――そんなスマート社会の構築に役立つ技術です。福祉、教育、農業など私たちの暮らしに近い幅広い領域を守備範囲に、社会問題を解決するものづくりに挑戦しています。

詳細な歩行データの計測で
リハビリテーションをサポート

小川准教授が現在取り組んでいるのは、歩行データ計測システムの開発で、学内外の研究室や理学療法士と共同で取り組んでいます。高齢者や歩行障害のある人の歩行能力の維持、改善のためのリハビリテーションには、歩行の正しい評価や安全性の確保が重要です。しかし、現状の評価は、経験や知識が十分な理学療法士でないと評価が難しく、無理な訓練を行った場合には転倒のリスクもあります。

研究室では、歩行をサポートする歩行車に最小限のセンサを実装した計測システムを考案。訓練中の歩行速度、歩行周期のほか、足にかかる力や歩幅、「かかとがついた」「つま先が離れた」などの動作、重心の移動など詳細なデータを自動的に算出・表示できる機器を開発しています。

今後は詳細な歩行データと重心の移動や左右のバランスから歩容変化を検知して分析する手法の開発を予定。さらに、仮想空間に患者(人)と歩行車や環境(モノ)のデジタルツインを構築し、訓練中の歩行パラメータから挙動を解析・評価する手法を確立して、現実空間の起こり得る、または起き得た事象を予測して適切な訓練内容を逐次提示できるシステムの開発を目指します。

将来的に予測される理学療法士不足にも、DX(Digital Transformation)で対処し、効率的で効果的な歩行訓練の実現につなげたいと考えています。

IoRT(Internet of Robotic Things)歩行車のシステム概念図と外観図

物理現象を体感できる
新しいロボット教材の開発

また、IoT技術やロボット技術を使った物理教材の開発にも取り組んでいます。物理を学ぶには、質量、力、エネルギーなどの物理量を正しく認識し、実際の物理現象との関係を理解して数式で表現することが重要です。

小川准教授は、動くロボットを通して学習する物理現象を体感できるロボット教材を開発。物理学習に最適なセンサを実装したロボット教材は、実験中に計測した物理量と学習する物理公式を同時にリアルタイムにディスプレイ表示。スピード感や重量感を目で見て音で聞きながら体感的に効率的に学習できます。たとえば、摩擦現象の学習では、重さの違うオモリを載せ、滑りにくさの違う床材の上を、ロボットを押して滑らせることで摩擦力の違いを体感できます。オモリの重さや押す力(=摩擦力)はセンサで計測され、その値から摩擦係数が算出。公式と共にディスプレイに表示されます。力の量が変化する様子を見て、物体の質量とはたらく摩擦力の関係を体感的に学習することができます。

実際に高校の授業に導入したところ、生徒からは「実際にロボットが動くので現象をイメージしやすい」「楽しみながら学べる」など、物理を体感する効果を示すような意見が寄せられました。

物理学習支援用ロボット教材のシステム概念図
物理学習支援用ロボット教材の外観図
物理学習支援用ロボット教材の紹介動画

データ分析で一人ひとりにあった
最適なプログラムを提案!?

今、IoTで集めた現実空間のデータを仮想空間で分析し、最適な結果を導き出して現実世界にフィードバックする、サイバーフィジカルシステムという考え方が注目を浴びています。
小川研究室の歩行車による計測システムやロボット教材も、いずれは一人ひとりに最適な歩行訓練プログラムや物理教育プログラムとして提供できるようになるかもしれません。IoTやロボット技術は、幅広い分野の問題を解決する可能性を秘めた期待の技術です。

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言葉から、マナー、アート、SDGsまで教育や課題解決のツールとしてゲームを捉える /whoslab/research/inaura/ Fri, 07 Jul 2023 02:20:00 +0000 /whoslab/?post_type=research&p=2667 エンタテインメント性だけでなく、学習や体験、関心を呼びさますことで、社会的な課題の解決を目的としたゲームをシリアスゲームといいます。稲浦研究室では、多彩なシリアスゲームの開発や、ゲームのワークショップを開催してその普及に […]

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エンタテインメント性だけでなく、学習や体験、関心を呼びさますことで、社会的な課題の解決を目的としたゲームをシリアスゲームといいます。
稲浦研究室では、多彩なシリアスゲームの開発や、ゲームのワークショップを開催してその普及に努めています。

この色とこの色を混ぜたら何色になる? 
混色を学ぶカードゲーム「いろ計算」

ゲームの「楽しさ」「競い合う」といった性質を学習に取り入れることで、勉強に向かう姿勢を変えることができます。稲浦研究室では、学生が自分たちの興味に基づいた学習ゲームを数多く開発しています。

たとえば「いろ計算」は、6歳以上を対象とした混色を学ぶためのカードゲーム。104枚のカードの表に色のたし算と引き算が記述され、裏には正解の色(全18色)が塗られています。これを積み上げてプレイヤーが順番に回答し、正解者に得点が与えられます。絵を描くことが好きだった作者が、小学生になって混色に苦手意識を持った経験から、楽しみながら色を学ぶゲーム制作につながりました。

このゲームは2021年度卒業研究・卒業制作展「なわてん」でゲーム部門賞を受賞。この他にも、敬語と丁寧語を学ぶ・五大栄養素を学ぶ・ハングルを学ぶ・世界の郷土料理を学ぶといった学習ゲームが開発されました。

いろ計算
色見本表を見ながら,出題された色を考えることができる.ゲーム制作で最初に設定するのは,対象年齢.集中度や理解力に応じてゲームの概要設計を行う.既存のアナログゲームのルールや見せ方を決めた上で,オリジナリティを付加する.

SDGs達成への道のりを体験する「2030SDGs」 
ワークショップ開催で問題意識を醸成

ゲームには学習以外にも、社会問題に対する意識喚起の要素を組み込むことができます。

たとえばカードゲーム「2030SDGs(一般社団法人イマココラボ/代表理事 稲村健夫)」は、与えられたお金と時間を使い、SDGsの達成をめざして2030年までの道のりを体験するゲーム。公認ファシリテーターである稲浦講師は、建築学科の添田研究室 や、ゲーム&メディア学科の森田研究室と合同でワークショップを実施。自分の行動が社会・環境・経済にどのような影響を及ぼすのか、地球に暮らす人々にとってより良い社会とは何なのか、わたしたちには 何ができるかを摸索することができます。

稲浦研究室の学生もSDGsを学ぶゲームや、外来生物を学ぶゲームを開発していています。「ゲームを通して学ぶ」ことで、ものごとに興味を持ち、主体的に捉え、自らの行動につなげていくことができます。

「SDGs 」ワークショップの様子
「2030SDGs」を体験する稲浦研究室と添田研究室の学生たち.ゲームを楽しみつつ,自らできることを考えることにつながっている.
学生が開発した啓発型ゲーム
Happy World with SDGs」……SDGsを知らない人が楽しみながら学べるボードゲーム.
学生が開発した啓発型ゲーム
生物研究〜生態系を調査せよ」……生物学者になって生物や環境を調査するボードゲーム.

良い教育を効果的に展開する方法を考える
教育工学は、これからの社会人に必要な物の見方

稲浦研究室の専門分野である教育工学は、良い教育を効果的にかつ創造的に展開する方法を追求する学問です。
多様な価値観をシェアしながら計画的にプロジェクトを進行する能力が求められる今後の社会では、こういった考え方はあらゆる産業において不可欠な物の見方になるでしょう。

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