電気刺激 | WHO’S LAB |大阪電気通信大学研究室紹介サイト /whoslab/research-keyword/electrical-stimulation/ WHO'S LABは、大阪電気通信大学の研究活動を発信する専用サイトです。 Thu, 07 Aug 2025 01:22:20 +0000 ja hourly 1 メタバースとデジタルツインで拓く 新たなリハビリテーションの可能性 /whoslab/research/matsui-k/ Thu, 07 Aug 2025 01:22:19 +0000 /whoslab/?post_type=research&p=15217 高齢化、技術革新によるリハビリテーションの多様化が年々顕著になってきています。松居和寛准教授は、医学的知識と工学技術を組み合わせて医療機器の開発やリハビリテーション技術の向上を図り、より効果的で個別化されたリハビリテーシ […]

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高齢化、技術革新によるリハビリテーションの多様化が年々顕著になってきています。
松居和寛准教授は、医学的知識と工学技術を組み合わせて医療機器の開発やリハビリテーション技術の向上を図り、より効果的で個別化されたリハビリテーションの可能性を探っています。

脳の機能を活用した「アバター療法」で
メタバース空間でのリハビリテーションを実現

松居准教授が取り組んでいるのは、メタバース空間でのリハビリテーションを目指した「アバター療法」の研究です。この研究では、筋電図をインターフェースとして用い、メタバース空間で自分自身の身体と異なる特性を持つのアバターを操作する新たな手法を取り入れています。「Physio avatar(フィジオアバター)EB」と名付けられたこの技術の核となるのは、脳の機能を逆手に取ったリハビリテーション効果です。例えば、脳卒中で麻痺した患者でも、脳が「動かそう」と送る微弱な筋電図をアバターの動きに変換することで、「動く」という体験が得られます。動けない人が動くという体験は脳の「強化学習」につながり、神経回路の再構築に重要な効果をもたらします。

逆に健常者が「動かしにくいアバター」を操作した場合には、脳が予測した動きと実際の動きの差異を修正する「誤差学習」により、パフォーマンスが向上することが期待されます。

あるいは、自分より足が長いアバターを操作した場合は、足の指先と手先に振動子を装着して触覚フィードバックを与えると、あたかも自分の足が長くなったような錯覚が生じ、この状態で歩くと、足がよく上がるようになる効果が確認されています。

VR技術を活用すれば、場所を選ぶ必要がなくなり、ネットワークを通じて遠隔地のセラピストと共にメタバース空間でリハビリテーションを受けられるようになるでしょう。

筋電図駆動アバター(Physio Avatar EB)を体験している様子.相反する作用を持つ筋の筋電図を取得し,その比を計算してアバターを操作している.
本来の腕よりも伸長されたサイズのアバターを触覚刺激とともに体験している様子.実際の指先に振動子を取り付けており,アバターの指同士が振れると触覚刺激が提示される.

電気刺激による身体特性の定式化で
運動器ヒューマンデジタルツインを構築

もう一つの研究の柱は、「運動器ヒューマンデジタルツイン」の実現です。これは人間の身体特性をデジタル空間に再現し、仮想空間上に精巧なコピーを構築する技術です。制御工学の「システム同定」という手法を応用し、電気刺激に対する身体の反応を精密に計測することで、その人固有の運動特性を数理モデルとして定式化します。

健常時にあらかじめ自分の身体特性を測定・保存しておけば、リハビリテーションの目標設定や装具のシミュレーションにも役立てられると考えられています。また、ここで得られる身体特性は筋肉量や脂肪の付き方によって個人差があり「サルコペニア肥満」など、筋肉量が著しく減少する疾患の新たな診断法として活用が期待されています。

電気刺激を使って身体特性を測定している様子.相反する作用を持つ筋に同時に電気刺激を行うことで,筋協調を考慮した形で身体特性を取得できる.

医療・リハビリテーション現場の変革にとどまらない
新たな労働スタイルを創造

Physio avatar EBや運動器ヒューマンデジタルツインが実用化されれば、場所や人材の制約を超えた効果的なリハビリテーションが可能になり、多くの患者の生活の質向上に貢献することが期待されます。現実世界では身体的な制約があっても、メタバース空間では健康な頃の自分として活動でき、同時にリハビリテーションも進行できます。労働人口の減少という社会課題に対する、解決の糸口になるかもしれません。

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筋肉の動きや働きがどこまでわかる!? 可能性が広がる筋音図測定 /whoslab/research/akataki/ Wed, 24 Apr 2024 01:00:00 +0000 /whoslab/?post_type=research&p=10759 筋肉が発揮する力、つまり筋力は、一般的に、関節を動かす力を測ることで測定されます。しかし、人体には関節に関係なく働く筋肉もあります。赤滝教授は、身体を傷つけずに体表面から筋肉の動きや機能を測るための方法として、筋音図に着 […]

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筋肉が発揮する力、つまり筋力は、一般的に、関節を動かす力を測ることで測定されます。しかし、人体には関節に関係なく働く筋肉もあります。
赤滝教授は、身体を傷つけずに体表面から筋肉の動きや機能を測るための方法として、筋音図に着目。筋音図の特性を探る基礎研究を進めています。

筋肉が活動すると起こる
体表面の小さな振動を測定

筋肉は筋線維という細長い細胞で構成されています。筋線維は運動神経からの刺激を受けて電気的に興奮します。この興奮は活動電位と呼ばれ、体表面上で筋電図(Electromyogram:EMG)としてとらえることができます。

筋線維は活動電位を引き金に収縮。筋線維は長軸方向への収縮と同時に、側方向に向かって拡大・変形(膨らみ)します。力こぶはこの筋線維の膨らみが原因です。筋線維の拡大変形は一種の圧力波として周囲の組織を振動させます。この微細振動を体表面上で記録したものが筋音図(Mechanomyogram:MMG)です。これは筋線維の収縮による信号なので筋の機械的活動をあらわします。

筋電図も筋音図も筋肉そのものを外科的に切り取ることなく筋肉の働きを評価できる信号です。電気的な活動(筋電図)と機械的活動(筋音図)を同時に分析することで、より明確に筋機能を分析することができます。

筋音図の発見は17世紀と古いですが、その研究が本格的に始まったのは20世紀後半で、まだまだ発展途上の未開発な信号です。

そこで赤滝教授の研究グループは、収縮活動を反映する筋音図に着目。その特性を明らかにする基礎研究を続けています。

筋音図と筋電図
筋は運動神経からの刺激を受けて活動電位を発生させ,それを引金に長軸方向に短縮しながら側方向に拡大変形する.筋電図は筋線維の活動電位を記録した信号で「筋の電気的な活動」を反映する.筋音図は収縮による筋線維の側方拡大変形による圧力波を起源とする信号で「筋の機械的な活動」を反映する信号である.どちらも体表面上より記録可能な信号である.

筋収縮機能を把握できる筋音図

赤滝教授は、筋音図の特性を応用した研究にも取り組んでいます。その中には、筋肉が疲労するプロセスや加齢に伴う筋力低下のメカニズムの解明といったユニークなテーマもあります。また、臨床の研究者と共同し、筋疾患の患者さんの筋機能を評価する研究にも携わっています。

筋音図は、顔周りの筋や横隔膜など関節とつながっていない筋肉の機能測定に効果を発揮します。赤滝教授の研究グループは、いま筋肉内で起こっている振動の方向や速度の変化などを判定できる加速度計を活用して筋音図を測定し、筋電図と合わせて筋の機能を評価します。

たとえば、ALSや筋ジストロフィーなど筋の機能が衰える病気で最後まで機能が残るとされる眼の周りの筋肉である眼輪筋の持つ機能の研究もその一つです。また、瞬発力を出すのに向いている速筋(白筋)線維と、持久力を出すのに向いている遅筋(赤筋)線維とでは筋音図の振幅が違うことを応用し、筋疾患の症状を評価する研究なども行っています。

眼輪筋の機能評価実験
解上腕二頭筋の筋機能評価実験
最大随意筋収縮前(Pre)と後(Post)の筋音図波形比較
この実験では,10秒間,被験者に最大筋力を出させ,その前後で記録された誘発筋音図の波形を比較.健常者に比べ筋疾患のある患者の筋肉は最大筋力発生後の活動変化がないことがわかる.

筋肉の組成や機能をつかみ
臨床やスポーツ科学に応用

筋音図は、体表面上から筋肉の組成や状態がつかめる技術として注目を浴びています。筋力が衰えていく病気の診断や、治療における薬やリハビリテーションの効果を評価するのに役立つことが考えられます。
また、遅筋線維と速筋線維のどちらが多いのかという筋線維の組成を調べ、向いているスポーツを判断したり、その人に合った効果的な筋力強化につなげることも可能です。筋音図研究のこれからに期待がかかります。

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