摩擦 | WHO’S LAB |大阪電気通信大学研究室紹介サイト /whoslab/research-keyword/friction/ WHO'S LABは、大阪電気通信大学の研究活動を発信する専用サイトです。 Fri, 21 Feb 2025 11:07:17 +0000 ja hourly 1 機械の振動メカニズムを明らかにして 人々の安全や快適さを守る /whoslab/research/anami/ Wed, 31 Jan 2024 03:04:16 +0000 /whoslab/?post_type=research&p=7964 エンジンや洗濯機など、機械が動くと必ず振動が発生します。この振動は、機械の破損や性能の低下をひき起こすだけでなく、人に不快感を与えることもあります。そのため、振動の原因を明らかにし、その発生を抑えることは機械の高効率化、 […]

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エンジンや洗濯機など、機械が動くと必ず振動が発生します。この振動は、機械の破損や性能の低下をひき起こすだけでなく、人に不快感を与えることもあります。そのため、振動の原因を明らかにし、その発生を抑えることは機械の高効率化、高性能化、安全性確保における重要な課題となっています。
阿南研究室では、水や空気の流れと関連して起こる振動現象や、エアコン用圧縮機の高効率化のための研究を進めています。

100トンもある巨大水門が破壊される!? 
振動による崩壊メカニズムを解明

振動はときに重大な問題を引き起します。1995年にアメリカのあるダムで、放流のために100トンもある巨大な鉄製の扉(水門)を開けたところ、それが突然崩壊するという事故が発生しました。

阿南教授は、この水門の崩壊事故には振動が関係していることを突き止め、その原因とメカニズムを解明しました。阿南教授によって解明された水門崩壊のメカニズムは、巨大な水圧を支えるせき板の流水方向の曲げ振動と、扉の巻き上げワイヤーがばねの働きをすることで発生する上下方向の振動が、偶然同じ周期で重なったとき共振現象が発生し、巨大な振動が引き起こされた、というものでした。

阿南研究室では、この水門崩壊のメカニズムをふまえ、二度と同じような事故を引き起こさないよう、安全な水門について研究しています。この研究は、水をせき止めるせき板を重くすることで流水方向の曲げ振動を起こりにくくするのではなく、巻き上げワイヤーを柔らかくすることで上下方向の振動を抑えるという考え方で進められています。ガチガチに補強した頑丈な構造物を作るのではなく、柔らかいワイヤーでゆったり支持することで共振を避けるという逆転の発想です。現在、研究室では、大きな水門モデルを使った実験を進めています。

水門扉の実験用モデル
共振現象を解明した時の経験から,実験用モデルはかなり大きなサイズで設計.実際の水門で起きている現象が正確にとらえられる.研究にかける阿南教授の思いが込められた,こだわりのモデル.
実際の水門の動きをシミュレーション
実際の水門を加振してその応答を計測,分析し,巻き上げワイヤーがばねの働きをすることによる上下方向の振動と,巨大な水圧を支えるせき板の曲げによる流水方向の振動の2つの固有振動モードを確認.せき板の流水方向の振動は,空中ではかなり振動数が高いが,水中では上下方向振動と同じくらいの振動数まで低下する.これらが同時に発生することで激しい振動に成長することを突き止めた.

環境負荷の小さい冷媒でも
エアコンの効率を上げるには!?

阿南研究室では、もっと小さくて身近な機械にも着目しています。その一つが、エアコンの心臓部である圧縮機(コンプレッサー)です。

ほとんどのエアコンでは、冷媒の圧縮による温度上昇と膨張による温度低下を繰り返しながら、室外と室内の熱を交換しています。阿南研究室では、学校や工場などでよく用いられているエアコンの室外機に内蔵されている「スクロール型」と呼ばれる圧縮機について研究しています。

圧縮機の中には、固定スクロール(固定渦巻)と旋回スクロール(旋回渦巻)が組込まれており、旋回スクロールの旋回運動にともなって圧縮気室の容積を小さくしていくことで冷媒を圧縮する仕組みです。振動が少なく静かで、効率が高いという特徴があります。現在、世の中全体が、持続可能な社会に向け動き始めており、使用される冷媒は、今後、より環境負荷の小さいものになっていきます。環境負荷の少ない冷媒は、熱交換性能も低くくなる可能性があり、その場合にでも、現在と同じエアコンの性能を実現するためには、今よりも大きな室外機が必要になります。

阿南教授は、予測される未来に向けて、渦巻部品の摩擦や振動を極限まで減らして、圧縮機の効率を上げるための研究に取り組んでいます。室外機を小型軽量化するための圧縮機部品の形状や、材質などの検討をはじめ、機械の効率を向上させるために必要な、地道な研究が続けられています。

エアコンにおける熱交換(ヒートポンプ)
エアコンには,熱を汲み上げて移動させることで,別の場所を冷やしたり温めたりするヒートポンプと呼ばれる技術が使われている,冷媒と呼ばれる流体が,室外機と室内機の間を移動しながら,空気中にある熱を運んでいる.暖房時には,低温の冷媒ガスが圧縮されて室内よりも温度が高い状態になり,それが室内に移動することで熱を部屋の中に運んでいる.室内に熱をおろした冷媒は膨張弁(減圧機)で減圧され外気よりもさらに低温になり,外気から熱を受け取る.それを繰り返すことで室内を温めている.
スクロール型圧縮機の圧縮方法
圧縮機の中には,固定スクロール(固定渦巻)と旋回スクロール(旋回渦巻)が組込まれている.旋回に応じて圧縮気室の容積が変化することで,外周で閉じ込んだ冷媒が中心に向かって徐々に圧縮される.

環境が変わることで、想定外の現象が!
モノづくりならではの答えとは

アメリカでダム水門の破壊が起こった当初、研究者たちはなぜそんな現象が起こるのか?と首をひねりました。機械工学は人々の暮らしの安全を守り、便利さ・快適さを叶えるさまざまな技術を生み出してきました。けれども、こうした新技術が想定外の危険をはらんでいることもあります。そのリスクを回避し、さらなる新技術へと応用していくのが機械工学の役目とも言えます。
地球温暖化や気候変動など、今までの常識を超えた数々の問題に、モノづくりの技術がどんな答えを出してゆくのか。これからの機械工学に期待が高まります。

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ナノサイズの世界でモノを観察 水の性質や摩擦発光の謎を探る /whoslab/research/kageshima/ Fri, 10 Nov 2023 01:06:00 +0000 /whoslab/?post_type=research&p=6638 タンパク質や細胞は1mmの1000分の1の1μm(マイクロメートル)。さらにその1000分の1が1nm(ナノメートル)で、原子は0.1nm。 影島研究室では、この極小スケールの世界でモノを計測する技術を使って、物性やモノ […]

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タンパク質や細胞は1mmの1000分の1の1μm(マイクロメートル)。さらにその1000分の1が1nm(ナノメートル)で、原子は0.1nm。
影島研究室では、この極小スケールの世界でモノを計測する技術を使って、物性やモノが起こす現象のメカニズムを探っています。

原子間力顕微鏡で水分子にアプローチ! 
ナノ空間の水には弾性がある?

私たち生物を構成するタンパク質は、水の分子と相互作用して機能を表します。タンパク質表面と接しているのは、数層分の水分子です。影島教授は、「液体を分子数層分の狭い空間に閉じこめると水分子は自由に動けなくなるため、液体でありながら固体的な特質も持つのではないか?」といういくつかの報告に基づいて、この水分子の性質を実証するため原子間力顕微鏡(AFM)を用いた粘弾性計測を行いました。

原子間力顕微鏡とは、走査型プローブ顕微鏡(SPM)の一種で、分析する水分子の表面と探針の原子間にはたらく力を検出して画像を得る顕微鏡です。原子間力はあらゆる物質の間で働くため、ほかの走査型顕微鏡(トンネル顕微鏡 (STM)/電子顕微鏡 (SEM) )に比べて、応用範囲が広いのが特徴です。また大気中や液体中などさまざまな環境で、最も自然に近い状態で測定することが可能です。

原子間力顕微鏡(AFM)の仕組み
カンチレバー(力センサー)の先端に取り付けた探針で,計測する資料の表面をなぞる(または試料表面と一定の間隔を保ちながら試料表面を走査する)ことで,カンチレバーが上下方向に動作したり振動状態が変化したりするのを計測し,試料表面の凹凸形状の評価や物性の計測などを行う.

実験の結果、水分子には通常の室温の水とは異なる特性が見られました。

計測では、針と基板の間に挟まれた水の分子の層の厚さが、3層→2層→1層と薄くなるにつれ粘性弾性も高くなる、という結果が得られました。また、その変化が階段状であることから、粒としての性質があることも推察されます。この、計測結果は、今後タンパク質の構造などをめぐる生命現象の謎を解くための貴重な手がかりとなるかもしれません。

自家製磁気変調式AFMの仕組み(上図)と水分子層粘弾性のシア計測の模式図(下図)
親水性を持つシリコンの探針と雲母の基板を水中に.磁石球を取り付けたカンチレバーに磁場をかけ,交流磁場の周波数に応じて探針が往復運動をする際,探針と基板の間に挟まれた水の層が針に対してどのような力を及ぼすかを計測.
AFMを用いたナノギャップ間の水分子層のシア粘弾性計測の模式図とデータ
左)基板垂直方向の交番磁場により, AFMのカンチレバーをねじり振動させると, 探針先端と基板の間の空間の水層に横ずれ(シア)の変調を及ぼすことができる.
右)横軸は探針先端と基板との間の距離,左縦軸は水層のシアに対する弾性,右縦軸は粘性を表す抵抗係数.

摩擦発光は摩擦熱じゃない!? 
「トライボルミネッセンス」の謎に挑戦

石英などの鉱物を擦り合わせると光を発する現象があります。この発光現象はトライボルミネッセンスと呼ばれ、数十年前までは固体の摩擦で起こる熱輻射だとされていました。しかし、可視光を発するような熱輻射の身近な例である太陽の表面は6000℃。それほどの高熱は発生しないため、熱輻射説は否定され、トライボルミネッセンスは原子レベルの現象で、摩擦で物質の化学結合が切れる際にエネルギーが光として放出される現象だと考えられるようになりました。発光の際には、物質内に含まれる不純物原子が重要な役割を果たしているという説もあるため、ミクロなメカニズムを探るために、接触面積や摩擦範囲を極限まで小さくして、ナノメーターサイズの摩擦を起こし、可視光の発光をとらえるべく実験を重ねています。

水晶は交流電圧をかけると振動し、電荷信号を発する性質を持ちます。この性質を利用した電子部品のひとつが「音叉型水晶振動子」です。これをダイヤモンドの基板に接触した状態で振動させ、摩擦によって発された微弱な光を光電子増倍管でとらえようと、研究室では計測装置を試作中です。

光をとらえることができれば、往復の摩擦運動と発光のタイミング、発光する場所の空間的な分布などのデータが収集でき、発光現象解明の大きな一歩となりそうです。

生命現象の解明から地震予知まで
極小の世界がヒントを握る!?

影島研究室では関西医科大学と共同で、細胞核の病理変位を力学的に計測するための研究に取り組んでいます。これも、水分子よりは大きいものの極小の世界です。
またトライボルミネッセンスの発光検出技術が発展すれば、地震を引き起こす地中の断層すべり(摩擦)を発光現象から補足し、地震予知ができるようになるかもしれません。極小の世界は、私たちの健康や防災へのヒントがつまった世界なのです。

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