情報教育 | WHO’S LAB |大阪電気通信大学研究室紹介サイト /whoslab/research-keyword/it-education/ WHO'S LABは、大阪電気通信大学の研究活動を発信する専用サイトです。 Tue, 29 Jul 2025 01:25:52 +0000 ja hourly 1 プログラミング教育の格差解消に役立つ 次世代プログラミング教育環境を創造 /whoslab/research/nagashima-k/ Tue, 29 Jul 2025 01:25:50 +0000 /whoslab/?post_type=research&p=14997 高校でのプログラミング教育必修化に伴い、教育現場ではさまざまな課題が浮上しています。長島特任講師は、これらの課題を解決するため、誰でも手軽に使えるプログラミング学習環境「ビットアロー」を開発し、学習者のつまずきを早期発見 […]

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高校でのプログラミング教育必修化に伴い、教育現場ではさまざまな課題が浮上しています。
長島特任講師は、これらの課題を解決するため、誰でも手軽に使えるプログラミング学習環境「ビットアロー」を開発し、学習者のつまずきを早期発見・支援する技術の研究を進めています。

ブラウザ上で操作可能なBit Arrowで
教育現場の課題を解決

情報化社会の進展に伴い、小学校では2020年度、中学校では2021年度、そして高等学校では2022年度よりプログラミング学習が必修化されました。しかし教育現場では、さまざまな課題が指摘されています。公立学校はネットワーク環境や使用できるソフトに制限があり、Excelやメモ帳などのような教育用でないソフトを駆使して授業を進めている学校も少なくありません。そうした課題解決のために、長島特任講師らが共同開発したのが、オンラインプログラム環境「Bit Arrow」です。

「Bit Arrow」最大の特徴は、ウェブにアクセスするだけで使用できる点です。教育用に開発されたツールの多くは、パソコン1台ずつにプログラミング言語に対応したソフトやアプリケーションのインストールが必須ですが、「Bit Arrow」は準備段階の負担を完全に排除し、ブラウザ上の動作で完結する環境を実現しました。

さらに、視覚的なわかりやすさも追及しています。プログラムの実行中にエラーが発生した場合は、問題箇所を視覚的に表示し、具体的なメッセージを提示することで自力での問題解決が可能となります。インタラクティブなプログラムも実行でき、数字当てゲームやブロック崩しゲームなどを通じて「遊びながら学べる」環境を構築しています。

実行ボタンを押すと、実際にゲームも楽しめる.

つまずき検出技術で実現する
個別最適化された学習支援

40人程度のクラスを一人で指導する教師の負担軽減も重要な課題です。「Bit Arrow」には教師向けのダッシュボード機能があり、プログラムを実行するたびに収集するログの情報を元に、各生徒の学習進捗、エラー発生回数、最後にプログラムを実行してからの経過時間などをリアルタイムで確認できます。

中でも長島特任講師が最も注力しているのは、プログラミング学習における「つまずき」の自動検出技術です。つまずきには大きく2種類あります。一つはエラーメッセージが表示される明確なつまずき、もう一つは、エラーが出なくても思った通りに動かないという潜在的なつまずきです。前者は、システムが自動的にエラーの原因を特定し、適切なアドバイスを提示する仕組みをすでに実装しています。今後の課題は後者の検出で、学習者の行動ログを詳細に分析し、AI技術を活用してつまずきのパターンを特定する研究を進めています。最終的には、つまずいている学習者の本質的な問題をシステムが自動的に検出し、個別にアドバイスできる環境の構築を目指しています。

エラー率や実行からの経過時間、実行履歴などが一目で分かる.

プログラミングの枠を超え

すべての生徒が輝く未来へ

Bit Arrowのようなシステムが教育現場のスタンダードになれば、プログラミング学習に限らず、他の教科でも個別最適化された学習支援が可能になります。教師の負担も大幅に軽減され、より創造的で質の高い教育に集中できる環境が実現するでしょう。プログラミングが身近になる未来もそう遠くありません。

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1億総プログラミング時代に向け わかりやすく教え楽しく学ぶ環境を /whoslab/research/kanemune/ Tue, 30 Apr 2024 04:00:00 +0000 /whoslab/?post_type=research&p=10849 2022年度から高校では「情報Ⅰ」の科目が必修となり、2025年度の共通テストからは、プログラミングを含む「情報」が受験科目に追加されます。プログラミングは、今や誰もが身につけるべき教養の1つとなっています。兼宗教授は、 […]

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2022年度から高校では「情報Ⅰ」の科目が必修となり、2025年度の共通テストからは、プログラミングを含む「情報」が受験科目に追加されます。プログラミングは、今や誰もが身につけるべき教養の1つとなっています。
兼宗教授は、文部科学省の委員として高等学校情報科の学習指導要領の作成に関わり、多くの生徒が情報(プログラミング)の基礎を学べる教育環境づくりに取り組んでいます。

教えやすく、学びやすい! 
プログラミング環境Bit Arrowを開発・公開

高校の必修科目として組み込まれたプログラミング。学ぶ側にとっても、教える先生にとっても初めてのことでした。そこで、いかにわかりやすく教え、学ぶ側も楽しみながら知識とスキルを獲得できるかが、課題となりました。

この課題解決に向け、文部科学省-専門委員会メンバーとして精力的に取り組んできたのが兼宗教授です。早くから小学生向けのプログラミング教材や中学校の「技術」の教科書、また初心者向けのコンピュータサイエンス解説など、数多くの教育書籍を執筆。「難しそう」「とっつきにくそう」と思われがちなITの知識やスキルを、わかりやすく、楽しく教えるプログラミング言語の専門家として、第一線で活躍してきました。

また東京農業工業大学明星大学と共同で開発したのが、高等学校や大学の授業ためのオンラインプログラミング環境Bit Arrowです。Bit Arrow は、Webにアクセスするだけでプログラミングが学習できる無料のラーニングサイト。教室にあるパソコンに1台ずつプログラミング言語に対応したソフトやアプリケーションをインストールする必要がなく、教育現場の負担を一気に軽減できます。またクラス別に生徒を登録し、例題や練習問題をオンラインで配付したり、作成したプログラムをダウンロードすることも可能です。

Bit Arrowは2016年から公開されていますが、2022年4月「情報Ⅰ」の必修化直後から利用者が急増。広告も宣伝もなく、口コミだけで拡散し、現在ユーザー数は10万人超。同年度の高校1年生(工業高校など、情報関連科を除く普通科)が約70万人ということを考えると、普及率の高さが伺えます。

現在,書店などで販売されている小学生向けのプログラミング教材・中学校の「技術」/ 高校の「情報Ⅰ」の教科書,初心者向けのコンピュータサイエンス参考書など.写真は全て兼宗教授の執筆・監修本.
オンラインプログラミング環境Bit Arrow
コンピュータ言語は,数字しか理解できないコンピュータと数字だけではコミュニケーションの難しい人間の双方が歩み寄った結果生まれた言語.初心者にとっては,コンピュータ言語を使うこと自体が,どうしても難しく感じてしまう.

成功体験がプログラミング上達への道! 
オリジナルの言語やキーボードの開発も

Bit Arrowでは、兼宗教授が自ら開発したプログラミング言語「ドリトル」を使うこともできます。

「ドリトル」とは、日本語で書けるコンピュータ言語です。初めてプログラミングを学ぶ人が馴染みやすいよう、インターフェースの入力画面も大きく、初心者には「これならできるかも」と思わせるような工夫がされています。また、言語を使いこなせば複雑な指示も書くことができ、センサ等を繋げてオリジナルのデバイスを創造することも可能です。学習者が何につまずくのかをリサーチし、つまずきを避けて成功体験を増やせるしくみが詰まっています。

同じような考え方から開発したのが、子ども向けパソコン学習用キーボード『KEY PALETTO』です。キーの大きさや配置を小学生の手のサイズに合わせることで、学校で使う小さな机にも置きやすくなっています。また、各キーのアルファベットは、全てプログラミング言語と同じ小文字で表記。ブラインドタッチに対応したカラーリングは、色覚多様性を持つ子ども達でも見分けやすい色に設計されています。

プログラミングの研究者であると同時に、IT解説書籍の執筆者としても知られる兼宗教授。文科省での専門委員や周辺機器メーカーとの商品開発など、これまで蓄積してきた知見が、今の日本のIT教育を内側から支えています。

ドリトルで学ぶプログラミング
ドリトルを使って「かめた」に指示をすると,指示通りの図形を描く.
子どものパソコン学習用キーボード『KEY PALETTO』

プログラミングでカスタマイズすれば
AIと人間が共存できる世界がやって来る!?

何でもAIが判断し自動でやってくれる時代が来る、などと言われていますが、プログラム通りのマニュアル対応だけでは、解決できないケースも出てくるはず。近い将来、身近になればなるほどAIへの不満やストレスも懸念されます。
組み込まれたプログラムを自分好みにカスタマイズできる力を身につければ、AIと敵対することなく、共存できる楽しい未来がやって来そうです。

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