医用工学 | WHO’S LAB |大阪電気通信大学研究室紹介サイト /whoslab/research-keyword/medical-engineering/ WHO'S LABは、大阪電気通信大学の研究活動を発信する専用サイトです。 Fri, 05 Sep 2025 03:29:44 +0000 ja hourly 1 医療者や患者さんのニーズに応え 医療の進歩に挑戦する /whoslab/research/nagakura/ Wed, 14 Feb 2024 02:57:12 +0000 /whoslab/?post_type=research&p=7710 理工学の知識や技術を、診断や治療など医療分野に応用するのが医用工学分野です。長倉研究室では画像処理技術やものづくりの技術を生かして、医療者や患者さんのニーズに応える新しい医療機器や診断技術を開発。がんや糖尿病など幅広い分 […]

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理工学の知識や技術を、診断や治療など医療分野に応用するのが医用工学分野です。
長倉研究室では画像処理技術やものづくりの技術を生かして、医療者や患者さんのニーズに応える新しい医療機器や診断技術を開発。がんや糖尿病など幅広い分野で、医療の進化を支えています。

光で見えないものを見る技術 
がんの内視鏡治療をサポート

胃がんなど消化管の早期がんでは、内視鏡で見ながら、がん細胞におかされた粘膜をはぎ取る治療法が確立しています。身体への影響が少ないメリットのある治療ですが、がん細胞が粘膜層より下の層まで達していないことが条件。進行度の診断が重要ですが、見極めにはある程度の経験が必要です。

そこで長倉研究室では、内視鏡で撮影された臓器の画像を、画像処理によって形、輝度、色などを詳細に分析。特に粘膜より下の層を認識できる波長の光を使った計測によって、病変を自動的に認識する技術を開発しています。

こうした技術は、内視鏡検査によるがん診断の誤りを減らすことにもつながります。また、腹腔鏡手術中の微量な出血の検出など、人の目にはとらえにくい変化をとらえる技術としても期待されています。

上段)胃粘膜表面の画像(左)で3次元計測を行い, 横方向から見たバーチャル画像(右)を作成.
下段)胃粘膜の出血画像(左)から,出血病変の自動抽出(右)を行う.

インスリン注射の辛さから解放する
新しい糖尿病治療デバイスの開発

長倉教授は医用工学の研究者であると同時に、医師でもあります。医師として最初に勤めた病院の院長から薦められて始めたのが、糖尿病治療用デバイスの研究です。医療現場では、当時より糖尿病の治療法としてインスリン療法がおこなわれていました。これは、注射器などを使って体内に直接インスリンを補充し血糖をコントロールする方法です。

長倉教授は、食後の時間を見て自身で針を刺すという従来の治療法とは、全く異なる新しいデバイスを開発しています。この治療用デバイスの基本原理は浸透圧。体内に埋め込んだ小さなチップが、食事の前後で変動する血糖値に合わせて、自動でインスリンを注入してゆく仕組みです。このデバイスは、チップを皮下に埋め込めば、あとは電力も制御も不要という簡単でエコなシステムが評価され、グッドデザイン賞の中で経産大臣賞を受賞しました。

チップの開発には、レーザー光で樹脂を固めるマイクロ光造形の技術を活用。最小2ミリ角という微細サイズのチップの試作も既に成功しています。治療用・医療機器としての認可を得るには、さらなる臨床試験が求められますが、治療法として確立されれば糖尿病患者の治療ストレスは大きく軽減できます。

血糖値とは血液中に含まれるグルコースの濃度のこと.チップにグルコースを透過させない膜を使うことで,血糖値の上昇によってチップ内の溶液が流出し,その圧力で弾性ダイアフラム変形し流路ができあがりインスリンを注入する.血糖値が下がれば浸透圧が下がり,流路が閉じられインスリンは自動的に止まる.
インスリンタンクを内蔵したチップの試作品
チップに内蔵する機械は光造形中に埋め込む(右上は親指の爪)

今までとらえられなかった
身体の情報をキャッチする

長倉研究室では、足の静脈の計測技術の研究も進めています。画像処理技術を駆使して超音波診断画像から静脈の特性を調べ、超音波画像で見えている以外の情報をえたり、足や腕に微弱な電流を流すことで血管内の状態や血流、血圧を計測する方法の開発です。
たとえば、足の静脈にできた血栓が肺に飛んで血管を詰まらせ、肺血栓塞栓症(エコノミークラス症候群)を発症することがあります。こうした突発的な病気の原因となる静脈血栓を予防するには、血栓ができやすい体調や体質かどうかを調べておくことが重要です。医用工学技術の進歩で、従来とらえられなかった身体の情報が得られれば、誰もが自分に合ったヘルスケア、予防ケアができるようになります。

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福祉・医療も、エデュテインメントもVRがコミュニケーションを進化させる! /whoslab/research/onishi/ Mon, 24 Jul 2023 02:06:00 +0000 /whoslab/?post_type=research&p=3460 「まるで現実」のような世界、つまり仮想現実=VRは、ゲームなどの非現実の世界を楽しむのに優れた技術であることはよく知られています。大西研究室では、こうしたVRの技術を、福祉や医療、教育といった分野で効果的に活用する研究に […]

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「まるで現実」のような世界、つまり仮想現実=VRは、ゲームなどの非現実の世界を楽しむのに優れた技術であることはよく知られています。
大西研究室では、こうしたVRの技術を、福祉や医療、教育といった分野で効果的に活用する研究に取り組んでいます。

さまざまな手術のスキルアップを支援する
手術シミュレータ・ナビゲータを開発

腫瘍を摘出する外科手術などの際には、医師は切除する腫瘍の位置を把握して細心の注意を払いながら手術を進めていきます。けれども人間の体内はさまざまな組織や器官が複雑に組み合わされた3次元空間。入り組んだ部位の切除など非常に技術が求められる場合があり、事前のトレーニングや、手術中のナビゲーションなどの支援が求められています。

そこで大西研究室では、手術シミュレータや、手術ナビゲータの開発に取り組んでいます。

たとえば、シミュレータの画面には実際の撮影データに基づいて作られた3Dモデルの臓器が映し出され、腫瘍がマーカー表示されます。ユーザーは周囲の血管を傷つけないように腫瘍を取り出す訓練ができます。さまざまな症例をもとに、病巣を立体的(3次元)に理解することにも役立ちます。

また手術ナビゲータでは、手術中に映し出される医師の視界に、実際の腫瘍の場所をわかりやすく表示する方法についても検討しています。病巣の撮影データを基に計算した臓器内での位置関係が再現できれば、より臨床にあった効果的な、シミュレーションができるようになります。

同一の臓器をレイヤーごとに表示し、病巣をマーカー表示

下垂体腫瘍摘出術などで利⽤される⿐腔内視鏡下⼿術のナビゲータ(プロトタイプ)

鼻から内視鏡を入れて脳下垂体の腫瘍を切除する手術.このナビゲーションシステムではどの骨を削るかなど,細かい術式を検討できる.

リハビリのサポートから博物館の展示品鑑賞まで
HCIを取り入れ、ユーザーにやさしく

リハビリテーションや福祉の分野においても、VRの技術を利用して暴露療法をサポートするシステムを研究しています。

たとえば、高齢者が転倒した経験などから段差に対して芽生えた恐怖感を取り除くために、実際に踏み台を段差と見立て、VRゴーグル内のさまざまなシチュエーションの段差を見ながら昇降します。こうしたリハビリによって段差に慣れることをめざします。

また、博物館や美術館などの貴重な展示品への理解を深めるために、タブレット端末を利用した展示支援システムも開発しています。珍しい楽器など簡単にはふれられない展示品の前では、タブレットをかざすと楽器の音が流れ、解説文を読むことができます。近づくほどに音が大きくなったり、制限時間内に楽器を探し出すといった、ゲーム要素も導入。ガラスケースの中で展示品が陳列されているだけでなく、鑑賞者が自分の意思で積極的に関わることができるため、展示品への興味をより強く引き出すことができます。大西研究室では、こうした“楽しみながら学べる”新しい形の展示を提案しています。

 VR曝露療法システム
段差での転倒した経験などから芽生える恐怖感を取り除くために,VRゴーグル内のさまざまなシチュエーションの段差を見ながらリハビリを行う.
VRの技術を利用し,ゴーグルを付けた状態で踏み台を昇り降りすることで,多様なシチュエーションの段差が体験できる.
楽器の展示支援システム
楽器の展示支援システム
鑑賞者は展示された楽器をタブレットを通して鳴らしたり,文化的な背景を紹介する解説文を読んだりとインタラクティブに関わり,楽しみながら学べる.

五感の全てを再現したホログラムの誕生で
地球の裏側の友達ともハグできる!?

現在のVRは音声やビジュアルがメインですが、今後は音・匂い・皮膚感覚・味といった五感の全てを創り出す技術が生まれるでしょう。
情報技術の歴史はコミュニケーション支援の歴史でもあります。自分が3Dのホログラムとなり、遠く離れて暮らす友達と握手やハグする日も遠くないかもしれません。

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技術者・医師・企業の三者が取り組む共同研究とは? /whoslab/research/noborio/ Mon, 24 Jul 2023 02:01:00 +0000 /whoslab/?post_type=research&p=4856 ゲーム空間で体験する「現実を強調した感覚」。この感覚の再現技術はエンタテインメントだけでなく、医療の世界でも非常に役に立ちます。登尾教授はVRを医用工学に応用し、共同研究によって医療の新たな可能性を切り拓いています。 医 […]

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ゲーム空間で体験する「現実を強調した感覚」。この感覚の再現技術はエンタテインメントだけでなく、医療の世界でも非常に役に立ちます。
登尾教授はVRを医用工学に応用し、共同研究によって医療の新たな可能性を切り拓いています。

医用・支援シミュレータ 
共同開発の始まりはVRゲームの学会発表!?

登尾研究室では、現在関西医科大学医学部医学科脳神経外科教室と、脳神経外科手術ナビゲーションシステムの開発に取り組んでいます。これは、実際の手術中の脳の映像にCTやMRIの画像から作られた患者の脳の3Dモデルを重ね合わせるシステムで、肉眼での確認が難しい臓器内の悪性腫瘍や血管を医師に提示し、外科手術をサポートするものです。 また腎臓外科手術や肝臓外科手術のナビゲータ・シミュレータの開発には、本学の大西教授小枝准教授(現在・岡山県立大学 人間情報工学科)とともに参画しています。これらの共同研究では、それぞれの専門分野から開発されたVR技術が駆使されています。

こうした共同研究のきっかけとなったのは、第6回日本VR医学会学術大会で発表した「仮想空間におけるビリヤードやエアホッケーのゲーム」の研究です。発表内容は、物と物が衝突する際の力を分析し、物体にかかる力の感覚をゲームユーザーがリアルに体感できるシステムの開発に関するものでした。

当日、会場で発表を聴いた大阪大学歯学部の荘村泰治教授。医学生の教育現場で課題となっていた、技術習得の課題を解決できるのでは⁉と大きな可能性を感じます。

う蝕治療視聴触覚体感シミュレーションシステム
エナメル質・象牙質・歯髄で校正された歯の「う蝕(むし歯)」を治療する視聴触が体感できる学生教育用システム.

歯科医は通常、歯科バーで歯や顎の骨を削り治療を進めます。歯はエナメル質・象牙質・歯髄の三層構造になっており、削る際には手に伝わる感触がそれぞれ異なります。歯学生がこの練習を安全に行うために、VRゲーム構築で開発した技術を応用して「歯科施術シミュレータ」を開発できないか──。荘村教授はその場で登尾教授に共同研究を提案。現在、本学・情報学科では当たり前のように広がっている共同研究・共同開発の礎が、このとき生まれたのです。

脳神経外科手術ナビゲーションシステム
実際の手術中の脳の映像にCTやMRIの画像から作られた患者の脳の3Dモデルを重ね合わせ,肉眼で確認することが難しい部分の手術をサポート.

選りすぐりのメンバーがワンチームに集結! 
ファンド獲得や人材育成など研究環境を整える

共同研究では、単独研究では不可能なマンパワーが生まれます。医用ナビゲータ・シミュレータの場合なら、メカ・カメラ・プログラム・CG・ヒューマンインターフェースなど、各ジャンルの専門家を大学や企業から集めて「強いチーム」を作ります。

また実社会の課題にリンクした共同研究ではチームや研究内容の優位性をプレゼンテーションすることで、研究費を獲得し環境を整えることができます。実際、登尾教授自身も科研費基盤研究(B)の採択や、NEDOJST等からの支援によって、求められるスピードや研究環境の質的な条件を確保し、維持しています。

さらに、本学情報学科第1期卒業生・水篠公範氏が設立したソフトウェア開発企業との連携により、社会に役立つ研究開発や専門性を活かした就職力など好循環を生み出しています。

共同研究には、むずかしい面もあります。医師は臨床での効果を、エンジニアは研究論文のインパクトを、企業は利益を、それぞれ重視します。コミュニケーションを活発にし、それぞれが納得できる落とし所を見つけてゆくことも、欠かせない大切な作業です。

共同研究の概念

医療のDX化が進むことで
適切かつ効率的な医療が実現

DX(デジタル・トランスフォーメンション)とは、データとデジタル技術を駆使して業務プロセス・サービス・ビジネスモデルを改善することです。
医療のDX化がさらに進めば、診療は対面・VRを区別できるようになります。患者さんにとっても、医療従事者にとっても、医療サービスは今以上に適切かつ効率的になっていくことでしょう。

  • 参考文献
    仮想空間におけるビリヤードやエアホッケーのゲームの研究……「撃力衝突モデルに基づくビリヤードの視覚精度の向上」「撃力衝突モデルに基づくエアホッケーの触覚精度の向上」(国際会議Eurographics:2003年9月)
    Toshiko Iguchi, Tetsuya Kodama and Hiroshi Noborio, ‘A Precise Approach Calibrated by Experimental Data to Make an Artificial Impulse,’ Eurographics 2003, Short Presentations, Granada Spain, pp.241-248, 2003.

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