リハビリテーション | WHO’S LAB |大阪電気通信大学研究室紹介サイト /whoslab/research-keyword/rehabilitation/ WHO'S LABは、大阪電気通信大学の研究活動を発信する専用サイトです。 Wed, 02 Jul 2025 09:50:06 +0000 ja hourly 1 進化するスポーツ理学療法 効果が高く安全な手法の開発 /whoslab/research/kimura-y/ Thu, 14 Mar 2024 02:56:26 +0000 /whoslab/?post_type=research&p=8577 スポーツ外傷で整形外科での手術治療を受けた患者さんは、患部の状態に応じた運動療法や物理療法などのリハビリテーションを通じて機能回復とスポーツ復帰をめざします。木村教授は、スポーツ外傷の中でも膝関節を専門とし、アスリートの […]

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スポーツ外傷で整形外科での手術治療を受けた患者さんは、患部の状態に応じた運動療法や物理療法などのリハビリテーションを通じて機能回復とスポーツ復帰をめざします。
木村教授は、スポーツ外傷の中でも膝関節を専門とし、アスリートの機能回復はもちろん、高齢者の介護予防にも役立つ安全な運動療法の開発をめざしています。

走るときの衝撃を吸収する
膝関節の機能を評価する

走る動作は、歩いたり階段を昇ったりするのに比べて負荷が大きく、難しい動作とされています。衝撃が大きいうえに、足、膝、股それぞれの関節でその衝撃を受け止めてエネルギーに変える制御が必要だからです。

一方、脚の関節がもつ衝撃吸収・制御の機能を評価する方法はいまだ確立されていません。そのため、じん帯や半月板など膝関節を損傷した人が、走る動作を再開するタイミングは、衝撃吸収に必要な機能の回復レベルではなく、筋力やバランスなどの基準で判断されているのが現状です。

木村教授は、膝関節の衝撃吸収能力を評価する方法を研究し、走る動作の再開に向けた基準の確立を目指しています。その中で、片脚のつま先立ちから急激に脚を曲げた姿勢となるモディファイドドロップスクワットという独自の運動を開発。解析の結果、この運動で膝関節に加わる力は、走るときの膝関節の衝撃吸収とよく似ていることを明らかにしました。

さらに、評価法の検証を目的とした調査では、前十字じん帯の再建手術を受けた人を対象に動作解析を行い、モディファイドドロップスクワットでの膝の動きがスムーズにできないと、走る姿勢が非対称で不適切になることを明らかにしました。

モディファイドドロップスクワットは、実際に走るよりも安全に実施することができ、診察室などの狭い場所でも評価できるうえ、安全に膝関節の衝撃吸収機能をトレーニングできます。木村教授は、今後モディファイドドロップスクワットが「走る動作を再開する基準」として認められて普及していくために必要な、より多くのデータ収集と解析を進めています。

片脚のつま先立ちから脱力して急激に踵を地面に接地し,それと同時に膝を素早く曲げて衝撃を吸収する運動. まずは膝を曲げて衝撃を吸収する練習から始める.それが安定した後,膝を曲げた姿勢からすぐに膝を伸ばしてつま先立ちに戻るような連続的な運動を練習し,ランニングでの膝の屈伸に近づけていく.
ファイドドロップスクワット
モディファイドドロップスクワットの動きがスムーズにできるようになったら,次はリズム感よく衝撃吸収機能をトレーニングしてみよう!
三次元動作解析による膝関節の受ける床反力と衝撃吸収力
スクワット,モディファイドドロップスクワット,ランニング実施中の地面から受ける力(左図)と膝関節に働く力(右図)を解析した結果.スクワットには衝撃がなく膝関節に働く力も緩やかだが,モディファイドドロップスクワットはランニングに類似して足がつくと同時に,衝撃とともに膝関節周りに急激に力が働くことが分かる.しかし,その力の大きさはランニングより小さく,安全に膝関節の衝撃吸収能力の評価とトレーニングが可能と考えられる.

座ったままでこんなに効く!? 
目からウロコの筋力トレーニング法

また、スポーツ外傷・障害後のリハビリテーションや介護予防に向けて、安全で効果的な筋力トレーニング法の開発にも力を入れています。

その一つが、ハーフシッティングエクサイズです。木村研究室では、このエクササイズの一連の動きについて、3次元動作解析装置と筋電図によって分析。スクワットに比べ、膝関節に加わる不要な負荷は小さいにも関わらず、大腿四頭筋やハムストリングスの筋活動を増加させることを明らかにしました。このエクササイズは座ったまま運動できることから本質的に安全で、しかも「走れない」「満足に歩けない」といった状態の人でもトレーニングすることができます。このような安全性を担保しながら高い運動効果を得るハーフシッティングエクササイズは、ほかの運動に優れる特徴を持っているといえます。

木村研究室では、ハーフシッティングエクササイズのほかにも、幅広い年齢やニーズに応える安全な筋力トレーニングを開発中です。スポーツ選手のリハビリテーションだけでなく、高齢者の介護予防・健康増進など、社会のニーズに応える新しいトレーニング法の確立が期待されます。

フォワードハーフシッティング
トレーニングする脚(前方)のでん部(お尻)で座り,脚を前後に開いた姿勢をとる.前方の脚は,踵が浮かないように接地し,すねの骨は少し前に倒します.背中が丸くならないように,また体が側方に倒れないように真っ直ぐに維持しながら,体幹を前に倒す.この時,前方の脚の太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)に力が入ることを感じる.後方の脚は動画のように,太ももが床に向かって真っすぐになるような位置にし,足の親指と小指の付け根で踏ん張る.
バックワードハーフシッティング
トレーニングする脚(後方)の反対側のでん部(お尻)で座り,脚を前後に開いた姿勢をとる.後方の脚は,踵を浮かせて足の親指と小指の付け根で踏ん張る.やや背中が丸くなっても良いので,あごを引いておなかに力を入れながら,腰が反らないように体を後ろに倒す.このとき,方の脚の太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)に力が入ることを感じる.筋肉への負荷が強いので,体を倒す量は少しずつ増やしていく.

全世代型エクササイズで
健康寿命が延びる!?

ヒトの身体の仕組みや動き方を力学的に研究するバイオメカニクス。臨床での深い洞察とバイオメカニクスを掛け合わせた見地から編み出されるトレーニング法は、身体の機能回復やスポーツ外傷・障害の予防だけでなく、競技パフォーマンスアップや健康増進の領域での活躍も期待されます。
人生100年時代、誰にとっても安全で効果があり、シンプルな全世代型エクササイズのニーズは、今後ますます高まってくるはず。抵抗なく始められ、気軽に続けられるエクササイズの開発は、健康寿命延伸の強い味方といえそうです。

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IoT、ロボット技術で社会問題を解決するものづくり /whoslab/research/ogawa/ Mon, 15 Jan 2024 00:59:04 +0000 /whoslab/?post_type=research&p=7778 小川准教授の研究テーマは、センサ計測により収集したデータをIoTで効率的に活用する――そんなスマート社会の構築に役立つ技術です。福祉、教育、農業など私たちの暮らしに近い幅広い領域を守備範囲に、社会問題を解決するものづくり […]

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小川准教授の研究テーマは、センサ計測により収集したデータをIoTで効率的に活用する――そんなスマート社会の構築に役立つ技術です。福祉、教育、農業など私たちの暮らしに近い幅広い領域を守備範囲に、社会問題を解決するものづくりに挑戦しています。

詳細な歩行データの計測で
リハビリテーションをサポート

小川准教授が現在取り組んでいるのは、歩行データ計測システムの開発で、学内外の研究室や理学療法士と共同で取り組んでいます。高齢者や歩行障害のある人の歩行能力の維持、改善のためのリハビリテーションには、歩行の正しい評価や安全性の確保が重要です。しかし、現状の評価は、経験や知識が十分な理学療法士でないと評価が難しく、無理な訓練を行った場合には転倒のリスクもあります。

研究室では、歩行をサポートする歩行車に最小限のセンサを実装した計測システムを考案。訓練中の歩行速度、歩行周期のほか、足にかかる力や歩幅、「かかとがついた」「つま先が離れた」などの動作、重心の移動など詳細なデータを自動的に算出・表示できる機器を開発しています。

今後は詳細な歩行データと重心の移動や左右のバランスから歩容変化を検知して分析する手法の開発を予定。さらに、仮想空間に患者(人)と歩行車や環境(モノ)のデジタルツインを構築し、訓練中の歩行パラメータから挙動を解析・評価する手法を確立して、現実空間の起こり得る、または起き得た事象を予測して適切な訓練内容を逐次提示できるシステムの開発を目指します。

将来的に予測される理学療法士不足にも、DX(Digital Transformation)で対処し、効率的で効果的な歩行訓練の実現につなげたいと考えています。

IoRT(Internet of Robotic Things)歩行車のシステム概念図と外観図

物理現象を体感できる
新しいロボット教材の開発

また、IoT技術やロボット技術を使った物理教材の開発にも取り組んでいます。物理を学ぶには、質量、力、エネルギーなどの物理量を正しく認識し、実際の物理現象との関係を理解して数式で表現することが重要です。

小川准教授は、動くロボットを通して学習する物理現象を体感できるロボット教材を開発。物理学習に最適なセンサを実装したロボット教材は、実験中に計測した物理量と学習する物理公式を同時にリアルタイムにディスプレイ表示。スピード感や重量感を目で見て音で聞きながら体感的に効率的に学習できます。たとえば、摩擦現象の学習では、重さの違うオモリを載せ、滑りにくさの違う床材の上を、ロボットを押して滑らせることで摩擦力の違いを体感できます。オモリの重さや押す力(=摩擦力)はセンサで計測され、その値から摩擦係数が算出。公式と共にディスプレイに表示されます。力の量が変化する様子を見て、物体の質量とはたらく摩擦力の関係を体感的に学習することができます。

実際に高校の授業に導入したところ、生徒からは「実際にロボットが動くので現象をイメージしやすい」「楽しみながら学べる」など、物理を体感する効果を示すような意見が寄せられました。

物理学習支援用ロボット教材のシステム概念図
物理学習支援用ロボット教材の外観図
物理学習支援用ロボット教材の紹介動画

データ分析で一人ひとりにあった
最適なプログラムを提案!?

今、IoTで集めた現実空間のデータを仮想空間で分析し、最適な結果を導き出して現実世界にフィードバックする、サイバーフィジカルシステムという考え方が注目を浴びています。
小川研究室の歩行車による計測システムやロボット教材も、いずれは一人ひとりに最適な歩行訓練プログラムや物理教育プログラムとして提供できるようになるかもしれません。IoTやロボット技術は、幅広い分野の問題を解決する可能性を秘めた期待の技術です。

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社会の問題を「超現実」で解決 医療、福祉・健康分野にゲーム技術を応用 /whoslab/research/sato_r/ Fri, 07 Jul 2023 02:12:00 +0000 /whoslab/?post_type=research&p=779 ち密でリアルな表現が可能な3DCGや、まるで現実のように仮想空間を体験できるVR。ゲームに関連する多様な先端技術を、さまざまな領域へ活用する動きが活発になっています。佐藤研究室ではゲームの技術と考え方を応用し、医療、教育 […]

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ち密でリアルな表現が可能な3DCGや、まるで現実のように仮想空間を体験できるVR。ゲームに関連する多様な先端技術を、さまざまな領域へ活用する動きが活発になっています。
佐藤研究室ではゲームの技術と考え方を応用し、医療、教育、福祉や健康など幅広い分野の問題を解決する研究を進めています。

手術見学の教育効果をもっと高めるには? 
VR空間でとことん学ぶ手術学習支援システム

ゲームの技術と考え⽅を応⽤し、医療や教育現場での課題を解決する。その一つが、関西医科大学と共同で行っている手術学習支援システムの開発です。

実際の手術を見学する授業は医学生にとって重要なプログラムですが、特に内視鏡手術などになると内視鏡カメラが撮影する小さな範囲しか見ることができず、内容が十分に把握できないなどの問題点がありました。そこで手術室内をVR空間に再現し、手術の内容を表現した3DCG動画や説明テキストなどを配置するシミュレーションシステムを開発。3DCG動画は視点や視角を自由に変えて見ることができ、さらに周辺臓器を透過させるなどして本来は見えない角度からも手術の動作や手術器具の操作を確認できます。

また3DCG動画と同時に内視鏡カメラで撮影された手術の実映像も見られます。

手術学習支援システムのホーム画面
手術室内の様子や医療器具に至るまで克明にCG化しVR空間として再現
上)V R空間 下)実際の手術室画像
左)内視鏡手術のシミュレーション画像   右)必要に応じて実画像も参照できる

模範動作に近づくほど得点が上がる
楽しく続けられる高齢者向け体操ゲーム

一方、福祉・健康分野では高齢者向けの健康体操も研究テーマの一つです。

体操は手をきちんと伸ばすなど模範通りにやれば効果がより上がりますが、指摘されないと自分の動作の欠点に気づけません。そこで、より楽しく体操を続けてもらうよう、模範の動作に近づくほど点が高くなるゲームを開発。インストラクターによる体操動作からモーションキャプチャーで関節位置を解析し、模範としてキャラクターに動作させます。それを見ながら体操をするプレイヤーの動作をリアルタイムに解析し、模範動作との違いを判定して得点に反映させる仕組みです。

佐藤研究室では、ゲームの楽しさによって努力や苦労を感じずに効果を上げることを目標に、多彩な開発を続けています。

正しい動作との比較を行う
モーションキャプチャーで関節の動きをデータ化する

手術教育やサポートの充実で
先端技術を使いこなすゴッドハンドを育てる

佐藤研究室が取り組む手術学習支援システムでは、遠隔操作での手術を可能にする手術支援ロボット「ダヴィンチ」 の使用を再現しています。
ロボットアームについた鉗子やカメラを遠隔操作して行う手術は、すでに一般的になりました。ゲーム技術の応用によるシミュレーション技術が発展すれば、こうした最先端の医療ツールに習熟するスピードを速めることが可能になるかもしれません。また、インターネット上の仮想空間メタバースを使って熟練の医師が遠隔で指導するなどサポートも期待できそうです。

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