可視化 | WHO’S LAB |大阪電気通信大学研究室紹介サイト /whoslab/research-keyword/visualization/ WHO'S LABは、大阪電気通信大学の研究活動を発信する専用サイトです。 Wed, 02 Jul 2025 08:48:54 +0000 ja hourly 1 学童期を中心に 野球肘・野球肩を予防・治療 /whoslab/research/matsumoto_k/ Thu, 10 Oct 2024 04:30:00 +0000 /whoslab/?post_type=research&p=13778 松本光平特任講師は、理学療法士として投球障害(野球肘・野球肩)を治療してきました。投球の繰り返しで徐々に肘や肩の組織が傷み、痛みが発生する障害です。こうした臨床での経験から、投球障害の予防や安全な投球再開のためのエクササ […]

The post 学童期を中心に <br>野球肘・野球肩を予防・治療 appeared first on WHO’S LAB |大阪電気通信大学研究室紹介サイト.

]]>
松本光平特任講師は、理学療法士として投球障害(野球肘・野球肩)を治療してきました。投球の繰り返しで徐々に肘や肩の組織が傷み、痛みが発生する障害です。
こうした臨床での経験から、投球障害の予防や安全な投球再開のためのエクササイズやサポーター開発につながる研究を行っています。

「肘押しエクササイズ」の 
効果を検証

投球障害の要因は、過去の研究により、身体の機能や構造のほか投球フォームや投球数など様々な要素が絡み合っていることが明らかになっています。このうち身体の機能・構造面における主な原因として、肩関節後方(肩関節の後ろにある)軟部組織、具体的には筋肉、じん帯、関節を覆っている袋(関節包)などが柔軟性をなくし、肩の動きが悪くなることが知られています。肩の動きが悪くなることで、投球時に肩・肘に生じる負担が増加し、障害につながると言われています。

松本特任講師は理学療法士として、投球障害の治療に携わってきました。治療の一環で、肩関節後方軟部組織の柔軟性を維持するために推奨されているストレッチをしてもらう際、患者から「肩の前がつまる感じ」「窮屈な感じ」などの訴えが多く聞かれます。

その対応策が、ストレッチ前に行う「肘押しエクササイズ」です。これによって、即時的に肩関節を内向きにひねる内旋と呼ばれる動きがひろがったり、エクササイズ後のストレッチの痛みが軽減するなどの良い反応がありました。

肘押しエクササイズは、うつぶせになって肘をベッドに押し付ける簡単な運動です。効果があるなら多くの人に実践してもらいたいと、松本特任講師らの研究チームは効果の検証を始めました。

エクササイズ前後で肩関節後方軟部組織の柔軟性がどう変化するか、肩関節の可動域の測定によって評価。さらに、超音波画像診断装置で、実際に組織がどうなっているかを観察しました。その結果、患者が感じた肩関節の内旋における可動域の広がりが測定数値で実証され、肩甲骨の動きがよくなっていることなどもわかりました。

肘押しエクササイズの方法 
①うつぶせになり,手のひらをお腹の下に入れる ②肘で床を押し付けながら,お腹を手のひらで押すように力を入れる ③力は5秒間入れて,その後しっかり脱力する ④10回3セット繰り返す
肘押しエクササイズの即時効果 
肩の後ろの組織の柔軟性の指標の一つである,肩を内側にひねる(肩内旋)可動域をエクササイズ前後で計測. 結果,運動前と比較して運動後で有意に内旋可動域の拡大を認めた.
肘押しエクササイズ中の肩甲骨の動き
エクササイズを繰り返し行うことで,肩甲骨の動きが増加していることが認められた.肘押しエクササイズは肩関節だけでなく,肩甲骨運動の改善にも効果が期待できる可能性が示唆された.

学童期の投球障害を 
予防する研究へ

このエクササイズは、筋肉に力を入れると反対側の筋肉が緩む「相反抑制」という反射を利用し、肩を外側にひねる筋肉を緩めます。関節まわりの筋肉を大きく動かすストレッチと違って、大きな関節運動を必要としないため、痛みが少ないのがメリット。投球障害の予防はもちろん、すでに痛みが出ている人が安全に復帰をめざすために行うエクササイズとしても適しています。

松本特任講師は、特に、学童期の投球障害の予防・治療に関心を持っています。投球障害の発生頻度は学童期から高く、4人に1人程度の頻度で投球障害が発生しているという報告もあります。筋力や身体の使い方が未熟なために腕の力だけで投げるなど投球フォームが乱れやすく、肘の痛みにつながるケースも。また、成長期は骨や軟骨が発達途中であり、筋肉や靭帯よりも弱いため、骨や関節に障害が生じ、日常生活に支障が出ることもあり得ます。

今後は、肘押しエクササイズの効果をさらに詳細に評価するとともに、学童期に起こりやすい肘の投球障害を予防するサポーターの研究にも着手。パフォーマンスと障害予防効果を両立させる装具をめざし、開発を続けています。

「ケガがつきもの」
と言わせないスポーツへ!

野球が好きなのに痛みで球が投げられず、野球ができないのはとても辛いこと。松本特任講師の研究モチベーションは、投球障害の発生率を下げ、この辛さを味わう子どもを1人でも減らしたい!という想いです。
スポーツ障害やスポーツ理学療法の研究は、治療法や予防法の進化はもちろん、子どもも大人も年齢や個性に応じてより安全にスポーツを楽しめる社会づくりにつながります。「ケガがつきもの」ではなくなる世界は、意外に近いのかもしれません。

The post 学童期を中心に <br>野球肘・野球肩を予防・治療 appeared first on WHO’S LAB |大阪電気通信大学研究室紹介サイト.

]]>
運動器エコーを活用して理学療法を可視化! /whoslab/research/koyanagi/ Thu, 14 Mar 2024 02:58:46 +0000 /whoslab/?post_type=research&p=8003 ケガやそれに伴う手術をしたアスリートは、できるだけ早く復帰したいと願います。こうした望みをサポートするのが理学療法士です。復帰には、身体の状態に対する正しい評価と、医学的な管理に基づいたリハビリが不可欠だからです。小柳教 […]

The post <strong>運動器エコーを活用して</strong><br><strong>理学療法を可視化!</strong> appeared first on WHO’S LAB |大阪電気通信大学研究室紹介サイト.

]]>
ケガやそれに伴う手術をしたアスリートは、できるだけ早く復帰したいと願います。こうした望みをサポートするのが理学療法士です。復帰には、身体の状態に対する正しい評価と、医学的な管理に基づいたリハビリが不可欠だからです。
小柳教授は、こうしたリハビリをより安全かつ効率的に行うため、超音波診断装置(エコー)を駆使した評価法やリハビリのための器具の開発、さらにケガ予防のためのサポーター開発にも取り組んでいます。

身体部位を評価しながらリハビリできる
エコーを活用した新しい手法を開発

ケガや手術からの復帰をめざすアスリートが必ず行うのがリハビリテーション。リハビリを行うには、身体の状態を正しく評価することが重要です。ところが、これまで身体内部にある損傷部位の状態は直接には確認できないという課題がありました。

小柳教授は、こうした身体内部の状態をリアルタイムで把握し、正確に評価できれば、安全かつ効率的なリハビリ計画が立てられるのではと考え、エコーを活用した新しい手法を研究しています。

注目したのは膝の前十字靱帯(ACL)損傷。バスケットボールやハンドボール等、着地方向転換の多いスポーツで特にケガをしやすい部位です。ACL損傷を手術等で再建した選手がリハビリを行うとき重要になるのは、下腿のどこを支えるのかということです。

小柳教授は病院等で蓄積されたデータを検証し、膝の近くに支点を置くと下腿が前方にずれる現象を抑えられることを突き止めました。また、下腿を支える専用デバイスを開発し、板バネ様に運動を行う画期的なリハビリ法(Leaf spring exercise)を考案(下図参照)。またエコーを使うことで、リハビリ中に下腿が前方にずれていないかをモニタリング。安全性を確認しながら筋力強化をはかることが可能となりました。

(左)下腿の遠位支点では下腿が前方へずれるのに対し、(右)近位で支えると抑えられる
ACL再建膝の安全な膝伸展域の膝伸筋トレーニング [1]
ACL再建膝の安全な膝伸筋トレーニング。膝を伸展域で伸ばす際に、下腿を後ろ(上)へ押し込む

少年野球からあのメジャーの大物投手まで!? 
投球時のストレスから選手を守りたい

小柳教授は、スポーツによる損傷を予防するためのサポーターの開発にも取り組んでいます。

「内側型野球肘」と呼ばれる損傷は、投球動作によって生じるストレスにより、ボールを投げるときや投げた後に、肘の内側に痛みを感じます。肘の内側が広がって不安定になると、復帰には手術や専門的なリハビリが必要になります。

小柳教授は内側型野球肘の予防に向けて、「エラストマー」と呼ばれる柔らかく弾力のある新素材を使い、EEB(Elastomeric Elbow Brace)を開発。従来品のような金属製の支柱はなく、厚さ2mmの柔らかい素材を使って、4点で肘をしっかりと支持。しかも装着したままエコーで肘の状態をモニタリングできる、画期的なサポーターです(動画参照)。

EEBを装着している時とそうでない時を比べてみると、装着時には肘の広がりを示す指標(HUSO)が減少していることがわかりました。またEEBには、装着しても肘関節の動きを制限せず、球速にも影響を与えないというメリットもあります。

野球では特に投手が肘を痛めるケースが多く、野球肘は成長期の子どもに多いことで知られています。子どもたちが肘の故障や痛みに悩むことなく野球を楽しむためのアイテムとして期待が高まります。

開発したElastomeric Elbow Brace(EEB)
EEBの装着時に肘内側の安定性の指標である↔(HUSO)が減少する[2]

アンダーシャツと装具が合体!
着るだけで損傷から守るスポーツウェアが誕生!

スポーツを始める子どもの頃から、損傷を予防するサポーターを身につけることで手術などのリスクを減少できる可能性があります。
現在、小柳研究室はスポーツメーカーと情報交換しながら、サポーターと一体化したアンダーシャツの開発を構想中。ユニフォーム感覚で身体を守れるなら、スポーツの楽しさがさらに広がりそうです。

  • 出典
    [1] 骨関節理学療法学(第2版)福井勉・小柳磨毅(編)膝靭帯半月板損傷の理学療法、医学書院 東京2021 p91図12B
    [2] 野球肘に対する肘外反動揺性の定量評価と肘装具の制動効果 運動器理学療法超音波フロンティア VOL.2、著者 今高康詞(行岡病院)、編集 村木孝行(東北大学病院)、浅野昭裕(中部学院大学)、小柳磨毅(大阪電気通信大学)、谷口圭吾(札幌医科大学)、林典雄(運動器機能解剖学研究所)、福井勉(文京学院大学教授) 、p75頁 図8、2022、文光堂、東京

The post <strong>運動器エコーを活用して</strong><br><strong>理学療法を可視化!</strong> appeared first on WHO’S LAB |大阪電気通信大学研究室紹介サイト.

]]>